スネーク・アイズ(1993)

劇場公開日:

解説

監督と俳優たちが生み出す情熱、怒り、愛、絶望が、映画と現実が渾沌となった世界に雪崩れ込むフィルム・メイキングの現場を扱った人間ドラマ。監督は、「天使の復讐」、「キング・オブ・ニューヨーク」、「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト 刑事とドラッグとキリスト」といった衝撃作を撮り続けているニューヨーク・インディーズの旗手アベル・フェラーラ。製作は、フェラーラの長編処女作『ドリラー・キラー』(V)以来、彼の右腕的存在の女性プロデューサー、メリー・ケイン。脚本のニコラス・セント・ジョン、撮影のケン・ケルシュ、編集のアンソニー・レドマンらも長年に渡ってフェラーラと共同作業をしてきたスタッフ。音楽はジョー・デリア、美術はアレックス・タヴォラリス、衣装はマルレーネ・スチュワートがそれぞれ担当。出演は、映画監督役に「レザボア・ドッグス」、「ピアノ・レッスン」、そしてフェラーラの前作「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」でも好演のハーヴェイ・カイテル。人気TV女優には、「プリティ・リーグ」のマドンナ。俳優バーンズ役は、「チャイナ・ガール」に次いでフェラーラ作品への出演となるジェームズ・ルッソが扮している。また監督の妻役をフェラーラの実の妻ナンシーが演じている。

1993年製作/アメリカ
原題:Snake Eyes
配給:ギャガ
劇場公開日:1994年7月9日

ストーリー

映画監督エディ(ハーヴェイ・カイテル)は念願の企画である映画『鏡のマリア』のリハーサルがロサンゼルスのスタジオで開始された。崩壊していく夫婦を演じるのは、TV界の大スター、ジェニングス(マドンナ)とエディの長年の友人バーンズ(ジェームズ・ルッソ)。撮影準備という切迫した中で3人は、映画と現実の間を行き来する。ある日、″夫″が″妻″に無理に関係を迫るシーンで、バーンズは、実際にジェニングスを背後から犯してしまう。もはや現実と虚構の境界線は、暴力的に消し去られようとしていた。撮影中にニューヨークに戻ったエディは、罪の意識から逃れるためか妻に今までの情事について告白するが、混乱し怒り狂う妻を置いたまま再びロスに戻ることになる。『鏡のマリア』のラスト・シーン。どんな仕打ちを受けても頑なに拒む妻=ジェニングに対して夫=バーンズが拳銃を突きつける。悟りを開いたかのように、安らかな表情を見せている妻=ジェニングスに引き金が引かれ、スタジオの中に銃声が轟く。それが虚構=映画での出来事であったのかどうかわからぬままエンド・マーク。

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