忘れじの歌

解説

「支那ランプの石油」「春の夜明け」のジョセフ・ハッチンスンがオペラ出身の歌手ジョージ・ヒューストンを相手に主演するリライアンス・ピクチャー作品で、ロウエル・ブレンタノの小説に基づき「異人種の争闘」「国際列車」のラルフ・ブロットと「巌窟王(1934)」のフィリップ・ダンとが脚色ならびに台詞を執筆し、「街で拾った女」「恋をしましょう(1933)」のデイヴィッド・バートンが監督した。助演者は「猫目石怪事件」「春の夜明け」のジョン・ハリデイ、「心の緑野」のモナ・バリー、「紅雀」のヘレン・ウエストリー、ローラ・ホープ・クルーズ、ウィリアム・ハリガン、デイヴィッド・スコット、等である。キャメラは「暗黒街全滅」に参与したロバート・プランクの担任。

1935年製作/アメリカ
原題:The Melody Lingers On

ストーリー

欧州大戦の時、ミラノにピアノの勉強に行っていたアメリカ娘のアン・プレスコットはスカラ座でサルヴァニの歌を聞いた。サルヴァニは従軍中であったが、休暇中特に赤十字のために慈善出演したのである。それからアンとサルヴァニとの恋は急速に進み、アンが北イタリアにある師マンツォニの別荘に行ったときは二人は結婚の約束まで交わした。だが、その時にイタリア軍の襲撃があり、二人は別れ別れとなった。アンにやがて子供が生まれた。それに続いて、師のマンツォニがアンを残して死んだ。軍の命でアンは住民一同とともに他地に収容移住されることとなったが、赤ん坊の将来を思いこれを尼寺に託した。大戦が終わった後、アンは始めてサルヴィニの戦死を知った。そして尼寺に行って子供を取り返そうとしたが、それは許されなかった。かくてアンは以後一生を音楽に託す決心を固めたが、その間もわが子の行方を案じていた。それから20年の月日は経ってアンが世界的のピアニストとなった時、我が子がギイドオの名の下にミラノのトゥリナ家に養われているのを知った。アンは我が子に会いたさにミラノに赴いた。ギイドオは音楽に天分があったが家柄を貴ぶ両親は彼を外交官にしようとしていた。アンはギイドオの養父マルコが己を恋するのを利して、ギイドオをオペラ歌手にすることを納得せしめた。マルコの妻シルヴァは夫とアンの間を疑ったが、アンこそギイドオの真の母と知ると万事を了解した。だが、アンは我が子のためを思って、ミラノから姿を消した。そして数年後、ギイドオが天晴スカラ座に主役として名声を博した時に、淋しく快心の笑みを浮かべた女がいたが、それこそはアンであった。

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