ロリ・マドンナ戦争

劇場公開日:

解説

テネシー州の高原地帯を背景に、家と家との全面戦争を描いたアクション・ドラマ。製作はロドニー・カー・スミス、監督は「荒野に生きる」のリチャード・C・サラフィアン、スー・グラフトンの同名小説をロドニー・カー・スミスとグラフトン自身が脚本化。撮影はフィリップ・ラスロップ、音楽はフレッド・マイロー、編集はトム・ロルフが各々担当。出演はロッド・スタイガー、ロバート・ライアン、キャサリン・スクァイアー、スコット・ウィルソン、ティモシー・スコット、エド・ローター、ランディ・クエイド、ジェフ・ブリッジス、トレサ・ヒューズ、ポール・コスロ、キール・マーティン、ゲイリー・ビジー、ジョーン・グッドフェロー、シーズン・ヒューブリーなど。

1973年製作/アメリカ
原題:The Lolly Madonna War
配給:MGM映画
劇場公開日:1973年11月3日

ストーリー

レイバン・フェザー(ロッド・スタイガー)とパップ・ガットシャル(ロバート・ライアン)は、両家の間に横たわる牧草地帯の所有をめぐって激しく対立していた。牧草地はもともとレイバンのものだったが、税金の滞納から競売に付され、パップが落札した。だから法律上はパップの土地に違いなかったが、国家の権力を認めないフェザーは、自分の土地だと主張した。今や両家は一触即発の状態にあったのだ。ある日、パップの次男ルーディー(キール・マーティン)の策略によって両家は家族ぐるみの戦争へと走りだした。事件の始まりはこうだった。父パップに、以前フェザーに奪われた豚を取り返せと命令されたルーディーはロリ・マドンナという架空の女を作り、「ルーディーと結婚のため、バスで8時半に着く。迎えを待つ」旨をしたためたロリ・マドンナ差し出しの葉書をフェザー家の郵便受けに入れておいた。フェザー一家がそのトリックにまんまとひっかかったすきに豚を取り返すという寸法だ。計画は見事成功したが、フェザーの家の長男スラッシュ(スコット・ウィルソン)と3男ホーク(エド・ローター)は本当に1人の少女ルーニー・ジル(シーズン・ヒューブリー)をバス停から連れ帰ったのだ。ルーニーは両家に何の関係もない通りすがりの少女だったのだ。しかしフェザーは、ルーニーをロリ・マドンナだと信じて疑わない。パップはじめガットシャルの人々は何の関わりもない少女を巻き添えにした責任を感じ、何とかしなければ、と考えた。そんな両家の家族ぐるみの争いの中で双方の若い世代は必ずしも親たちの敵意を支持してはいなかった。なかでもフェザー家の次男スカイラー(ティモシー・スコット)とガットシャル家の末娘シスター・E(ジョーン・グッドフェロー)は愛し合っており、ゆくゆくは結婚することになっていた。ある夜、シスター・Eは牧草地を抜けてスカイラーに会いに出かけたが、その途中、スラッシュとホークにつかまって強姦されてしまった。彼女のショックと悲しみは兄たちを怒りにかき立てた。夜、パップはシスター・Eを連れてフェザー家に乗り込みルーニーを帰してやること、また牧草地に立ち入るなと要求した。だが、フェザーが承知する筈がなかった。パップは牧草地に鉄線をめぐらしたが、フェザーは牧草地に石油をまきちらしライフルを射ち込んで野火を起こした。そのため、豚を避難させようとしたガットシャル家のエルスペス夫人(トレサ・ヒューズ)がスラッシュの弾にあたり、手当のかいもなく死んだ。そのスラッシュも、彼をなじる父親レイバンに日頃の反感をぶつけたために、激しい折檻を受けて死んだ。焼けただれた牧草地を挟んで、2つの埋葬が両家の悲しみと怒りのうちに取り行なわれた。そしてガットシャルは決戦に立ち上がった。父や兄たちが銃を掴んで出て行くのを見届けると、シスター・Eは旅行カバンを持って家を去って行った。事態を憂慮したガットシャル家の3男セブ(ゲイリー・ビジー)は、1足先にフェザー家に駆けつけ、両家の争いをシェリフにゆだねようと申し入れたが、不幸な誤解から射殺された。その間、スカイラーもシスター・Eのあとを追うようにトラックで家を去った。そのあとには宿命の戦いがくりひろげられていった。ホークもビラム(ポール・コスロ)もルーディーも、若者たちが次々に死んで行った。

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映画レビュー

3.570年代アメリカン・ニューシネマの一作。

2019年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

 両家の対立による物語ってのは『ロミオとジュリエット』以来ずっとあるプロットだと思うが、もちろんこのフェザー家とガットシャル家の間にも恋物語があったようだ。その辺りはサラ~っと流した感じだが、ガットシャル家の娘シスターEがこっそりスカイラー・フェザーに逢いに行こうとしたら、不法侵入だ!とか言って、フェザー家の長男と3男が彼女をレイプしてしまうのだ。もう、対立させるならこのくらいやらないと・・・といった感じでハチャメチャ感を出したかっただけかもしれませんが、とにかく敷地内に入れば銃を構えるというアメリカ特有の殺伐とした保身。タイトルの“戦争”というのも世界の縮図のような両家を表してました。

 そんな中、ほぼ拉致された感じの少女ルーニー。元はと言えば、ガットシャル家がいたずらでロリ・マドンナという架空の女性を語り、偽の手紙を投函したことが原因。そのうち末っ子で結婚経験のあるザック(ジェフ・ブリッジス)と仲良くなっていくのだが・・・。この子は可愛いんだけど、戦争の中には関係がない。両家にとってもよそ者だし、彼女を守ろうとする姿勢も見受けられるのだ。

 作られた年代からしても、ベトナム戦争の兵役を免れたとか、面白いエピソードはあったけど、結局はフェザーの頑固親父が落馬によってザックの嫁を亡くしてしまったことから狂気へと変わったのだ。本当に戦争状態になって、家族が次から次へと死んでいく様子。だんだん虚しくなってくるし、フェザーの母親もなんだか病気がうつった感じで狂気へと変貌を遂げる姿が怖かった。

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kossy
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