令嬢暴力団

解説

「半分天国」「若き翼」と同じくチャールズ・バディー・ロジャース氏主演映画で「スイーティー」のジョージ・メリオン・ジュニア氏と「恋愛行進曲」のパーシー・ヒース氏とが合作し、「男の正体」「駄法螺成金」のマリオン・ディックス女史が脚色し、「笑う女」「コンサート」のヴィクター・シェルツィンゲル氏が監督し、「ハニー」「放浪の王者(1930)」のヘンリー・ジェラード氏が撮影した。助演者は「大学の地廻り」「風雲の天地」のキャスリン・クロフォード嬢、「好いて好かれて」「想夫舞曲」のジョセフィン・ダン嬢、キャロル・ロンバード嬢、ロスコー・カーンス氏、リチャード・タッカー氏、フランシス・マクドナルド氏等である。

1930年製作/アメリカ
原題:Safety in Numbers

ストーリー

ウィリアム・バトラー・レイノルズは当年21歳の青年で次の誕生日には巨億の財産を継承する筈であった。彼の伯父で後見人のF・カーステーア・レイノルズは甥の尖端振りが猛烈なのと、ジャズソングの作曲に熱中し過ぎるのを見て、意見を加えるのに思い切って毒を制するのに毒を以てする方法を執った。彼はニューヨークにいる3人の古い知合いの婦人達に世間学を教授して貰えと言いつけてウィリアムを遣わした。ニューヨークに着いてみると女達というのが揃いも揃って美しいレヴュー・ガールズだったので彼はすっかり面食らった。粋な伯父さんはこのジャクリン、マクシーン、ポーリーンの3美人に過分の報酬を払って、ウィリアムに誰も惚れてはならぬ、また誰にも惚れさせてはならぬ、ただニューヨークでの生活の方法を教えてくれと依頼したのだった。ところがウィリアムはジャクリンに惚れてしまったので、彼女にかねて惚れているフィル・ケンプトンというのらくら紳士がひどく焼餅をやき始めた。ジャクリン達がやる新狂言は全然駄目だった。そこでウィリアムは新作の曲を持って行くとプロデューサーは大いにそれを好んだが、ウィリアムが彼女等の給金値上げを持ち出したのでプロデューサーは怒って彼女等を馘にしてしまった。ウィリアムはジャクリンに夢中になったが彼女は伯父さんとの約束があるので軽くあしらった。そこで面当気味でウィリアムは交換手のアルマや、レヴューの方のクレオという強か者に好意を寄せ始めた。三人娘は驚いてクレオに騙されようとするウィリアムを救った。一方プロデューサーは折れてウィリアムの作を舞台にかけること、三人娘は値上げするから復職して貰いたいこと、を申し込んで来た。吉報に悦んだウィリアムはジャクリンに結婚を申し込んだ。今は彼を愛してはいるが金を目当てと伯父さんに思われるのが嫌さに彼女はパリへ赴くことにした。ウィリアムは波止場へ急いで彼女を連れ戻った。ポーリーンとマクシーンとの証言で伯父さんはジャクリンを甥の花嫁に迎えたのである。

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