ユリシーズ(1967)

解説

ジェームズ・ジョイスの原作をジョセフ・ストリックとフレッド・ヘインズが脚色、これまではオフ・ハリウッド映画を作っていた<ニューヨーク派>のジョセフ・ストリックが製作・監督にあたった。撮影はウォルフガング・スシツキー、音楽はスタンリー・マイヤーズが担当した。出演は、アイルランドの舞台俳優ミロ・オシア、英国の舞台女優バーバラ・ジェフォード、他にモーリス・ローヴス、T・P・マッケンナ、ジョー・リンチなど。

1967年製作/アメリカ
原題:James Joyce's Ulyses

ストーリー

ダブリン市の郊外に、マーテロ塔という古い塔がある。小学校教師のスティーブン(モーリス・ローヴス)は医学生のマリガン、大学生のヘインズとともに、この塔に住んでいた。彼はまた、母の死に会えなかったことを深く悔やんでいるナイーブな詩人でもあった。学校が終わったあと、1人海岸を歩くスティーブンの頭には人間の誕生、革命家のこと、ヘソのないイブなど、まったく関連のないものが浮かんでは消えていった。一方、レオポルド・ブルーム(ミロ・オシア)は、妻モリー(バーバラ・ジェフオード)のために朝食の支度をするような中年男。モリーの恋人ボイラン(ジョー・リンチ)のことで、いつも頭を悩ましている。その日ブルームの生活は、友人の葬式に行くことに始まり、次に自分が広告取りをしている新聞社に、まわった。そこで彼はスティーブンと顔を合わせた。午後1時、昼食をすましたブルームは、図書館に行った。そこで彼はボイランを見かけたり、シェークスピア論をやっているスティーブンたちに会ったりした。その後、街へ出て妻のために「罪の甘さ」という本を買い、4時、ホテルで食事しながら、文通している恋人に甘い手紙を書く。そこへ、またもや来合わせたボイランを見て、ブルームは、彼と妻モリーとの関係を妄想し、頭を悩ますのだった。8時。海岸で3人の女たちを見たブルームは、そのうちの1人の挑発的なポーズに悩まされ、その後、再び街に出た。彼は死んだ息子を思わせるスティーブンを見かけると後を追い、2人して酔っぱって夜の街を歩きまわり、売春宿に入りこみ、さまざまな幻想にふけった。制の倒錯、権力への憧れ、そして劣等感などの想念がうずまく。夜ふけ。家へ帰ったブルームは、ベッドに入ってから、妻と交わりを持つ男たちのことを夢想する。この夫婦は、息子を亡くしてからというもの、関係をもっていない。一方モリーは、夫のこと、ボイランのこと、少女時代のことなどを夢想する。そして自分たち夫婦の、かつての、若くて汚れない日々の愛を、夢の中で想い起こすのだった。

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