朦朧術

解説

「輝く天国」「三人水兵恋行脚」と同じくジョージ・オブライエン氏とロイス・モーラン嬢とが共演する映画で、「無頼漢(1928)」と同じくチャールズ・フランシス・コー氏の原作になったものである。脚色したのはエワート・アダムソン氏とロバート・ホーアウッド氏との二人でチャールズ・クライン氏が監督した。主役二人を助けて「血涙の志士」「四人の息子(1928)」のアール・フォックス氏、「無頼漢(1928)」のドン・テリー氏、「港々に女あり」のマリア・アルバ嬢、等が出演している。

1928年製作/アメリカ
原題:Blindfold

ストーリー

青年警察官ロバート・ケリーはモーニング・ヘラルド社の女流記者メリー・ブロウアーと恋仲であった。ある日メリーがケリーの訪れを待っているとき彼女の弟バディは近くの宝石商に強盗が入ったのを発見し、飛込んで賊と格闘して却って短銃で射殺された。折柄、来かかったケリーは直ちに賊を追ったが、遂に見失ってしまった。けれどもこの時、ケリーは賊の顔を深く脳裏に刻み込んで置いたので、必ず犯人を捕えることを誓った。それから一週間経って、ケリーは犯罪の現場から少し離れたベナード楽器店主ベナードこそ犯人であることを探知しこれを捕え検事局に送った。が、公判になると店員やベナードの治医コーネリアス・シモンズの真しやかな証言によってベナードの不在証明は認められ、ケリーは面目を失墜してしまった。が、ケリーはこれに屈せず、なお探索の歩を進めて行き、ベナードの日々の動静に注意していたが、ある夜、コーネリアス等がその店に入ったのを見て、店内に忍び込み家宅捜査を行った。しかし不幸、彼は発見されて負傷を被り、また同行したメリーは格闘の凄じい現場を目撃したことから激しい衛動を受け、過去の記憶を失ってしまった。その後、ケリーは家宅侵入罪に問われ官職停止処分にあい、メリーは博士の病院に拘禁されることとなった。悪計に成功した強盗団は更に新しい計画を企てることとなり、先づメリーを手先に使い、金満家の令嬢という触込みで宝飾商ガウント所有の旧ロシアの国宝を奪おうとしていた。偶然の機会からケリーはメリーの所在を知りその家に忍び入ってメリーに会ったがメリーはすべての過去を忘れていた。が、その時、再びケリーが悪漢一味と大乱闘を始めると、それを眺めたメリーは再び吾れに立返り、ケリーを助け、警官の援助の下に強盗団を掃蕩し、真犯人を捕縛し得た。かくてケリーは復職した上に部長に昇進し、メリーと結婚した。

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