ミシガン小僧

解説

映画では随分とお馴染みの作家レックス・ビーチ氏の原作の映画化で、J・グラブ・アレキサンダー氏が脚色したものから、ピーター・ミルン氏が撮影台本を作り、それを本として「大自然を敵として」等と同じくアーヴィン・V・ウィラット氏が監督したものである。主役は「囁きの小道」「男の名を言え」等出演のコンラッド・ネーゲル氏と「大自然を敵として」「ビック・パレード」等出演のルネ・アドレー嬢との2人で、ロイド・ウィトロック氏、モーリス・マーフィー君、などが助演する。

1928年製作/アメリカ
原題:The Michigan Kid

ストーリー

アラスカに金が出て人々それに殺到した頃の物語。このアラスカに人綽名してミシガン・キッドと呼ぶ若者がいた。彼は酒場を経営して金を蓄めた。彼は金を儲けにアラスカに来たのであったから金が蓄まるとこの酒場を他人に譲って故郷ミシガンに帰ろうと思った。が、その時、ある会社に雇われているフランク・ヘイウォードという男が賭博に会社の金を使い果たして質草にと己れが許婚の写真の入った時計を出した。これを見た時にキッドの顔は曇り、彼は前途の光明を失った。この写真の主ローズ・モリスこそは、彼の故郷ミシガンに於ける幼馴染みであり、未来の妻と胸に描いていたものであったからである。彼は子供の時からの仇フランクやローズの父親に己れの身分を悪様に罵られたのに奮起して、遥々このアラスカまで金を得て人々を見返しローズの手を求めようとして働きに出てきたのであった。時計を質に入れて金を得たフランクはまたその金すらスッてしまい、腹立ちの余り人を傷つけて牢に入れられた。が、キッドは彼がローズの許婚である事を思い、彼を保繹さして山上の会社へ赴かしめ自分はこのアラスカへフランクを訪ねてきたローズを波止場へ出迎え、それから彼女を伴ってフランクのいる会社へと案内して行った。途中、嵐が起こったので2人は山中の小屋へ難を避けて、そこで一夜を明かした。この時、ローズはやっとキッドが己れの昔の幼友達である事を知った。が、既に他人の許婚となっている今の身ではどうする術もなかった。2人は悲しい友情をもって尽くし合った。翌日になるとフランクが2人の間を嫉妬し嵐を衝いてこの小屋へやって来た。その夜、山火事があった。フランクはこれに乗じキッドを襲い、金を奪い、ローズを連れて逃げんとした。が、ローズはこれを阻み、キッドはかえってフランクを懲し、そのうえで3人は山火事と激流との危機を死にものぐるいの努力で脱して安全の地へ逃げた。フランクは改心してローズをキッドに譲った。キッドとローズとは相携えて故郷ミシガンへの船に乗った。

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