身代わり花形

解説

「ロミオとジュリエット」「化石の森」のレスリー・ハワードが「奥さんは嘘つき」「躍り込み花嫁」のジョーン・ブロンデルと共に主演する映画で、クラレンス・バディントン・ケランドサクの大衆小説に基づき「生活の悦び」「暗黒街の弾痕」のジーン・タウン、グレアム・ベイカー組が協力して脚本を書き、「生活の悦び」「狙われたお嬢さん」のテイ・ガーネットが監督に当り、「拾三番目の椅子(1937)」のチャールズ・G・クラークが撮影したもの。助演者は「デッド・エンド」「化石の森」のハンフリー・ボガートを始め、「ハリウッドホテル」ノアラン・モウプレイ、「座り込み結婚」のマーラ・シェルトン、「進め龍騎兵」のC・ヘンリー・ゴードン、ヴォードヴィル俳優で、映画では端役を演じていたジャック・カーソン、「恋のみちぐさ」のJ・C・ニュージェント等である。

1937年製作/アメリカ
原題:Stand-in

ストーリー

アターベリー・ドッドはニューヨークベティバッカー親子銀行の若い副社長であるが、数字以外には何物にも理解をなさい堅造りだった。この銀行が投資しているハリウッドのコロッサル映画会社が赤字を出したので、彼はそれを救うために出張することになった。映画のことは何も知らない彼の到着を待っていたのは、コロッサルを乗取ろうと企んでいるナッソーとその一味である。同社の主要監督コスロフスキーとスター女優セルマ・シェリーもその仲間で、撮影費をむやみに高めて銀行が同社を手離す日を待っていた。彼らの邪魔になるのは映画制作に天才的手腕を持った制作部長クィンテーンのみだったが、監督とスターの有利な契約条件に制せられて意見が通らず、また彼は酒を飲むと直ぐ駄目になってしまう男だった。到着したドットはまず歓迎会とパーティーに面食らって度胆を抜かし、ふと知合ったやさしい娘レスターの紹介で、あまり綺麗ではないが静かな彼女の下宿の一室を借りることにした。レスターの職業はこの土地の特有のスタンド・インで、彼女はシェリーの撮影開始前まで代わりにキャメラの前でポーズをつけたりする身代り役だった。会社の内情を知るためにドットは彼女を秘書に雇って改革に取りかかったが、世馴れぬ彼は海千山千の連中のために散々な目に逢い、ある夜会でコスロフスキーに投げられて逃げ蹴った。レスターは彼の意気地なしを叱りつけ、日本人から習った柔道を彼に教えてやる。コスロフスキー監督、シェリー主演のジャングル映画が出来たが、その愚劣な出来事にクィンテーンは呆れ返ってしまう。ドッドもつい二個の会社をあきらめて売り飛ばす決心をしたが、レスターは数千の従業員が失業することを説いて反対したので、酔っぱいのためにくびにしたクィンテーンを呼戻して対策を協議した。そしてクィンテーンはこの映画を全く再編集し、ゴリラを主役にシェリーを助演にしたジャングルの喜劇に変え、ようやく興業価値の見込みがついた。次いでドッドはコスロフスキーとシェリーをくびにした。ナッソーがニューヨークの銀行へ訴えたので、この社を売れという命令が来たが、今は勇気百倍したドッドは敢然とそれを蹴り、ナッソー一味と闘って柔道の威力を発揮し、ついにコロッサルを救った。そのうえ。ドッドの心には数学の外にロマンスも湧きだしたと見え、レスターを両手でしっかり抱きしめたのである。

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