三日姫君

解説

B・P・シュールバーグが製作した映画で「舗道」「路傍」と同じくシルヴィヤ・シドニーの主演作品であり、同じくマリオン・ガーリングが監督したものである。原作はクラレンス・バディントン・ケランドの小説で、それを「美人探し」「路傍」のサム・ヘルマンが「我等は楽しく地獄へ行く」のエドウィン・ジャスタス・メイヤーと共に改作し、そして「力と栄光」のプレストン・スタージェスが「路傍」「ゆりかごの唄」のフランク・パートスと協力して撮影台本を書いた。対手役は「妾は天使じゃない」「七月の肌着」のケーリー・グラントで、その他「妾は天使じゃない」のエドワード・アーノルド、「暗黒街の顔役(1932)」のヴィンス・バーネット、「シナラ」のヘンリー・スティーブンソン、エドガー・ノートン、等が出演している。撮影は「三角の月」「路傍」のレオン・シャムロイの担任である。

1934年製作/アメリカ
原題:Thirty-Day Princess

ストーリー

アメリカの大銀行家グレシャムは欧州旅行の途次、タロニア王国の温泉で時の国王アナトール12世の御昵懇を忝うした。その時にグレシャムは陛下からこの国を開発する資金の借款を懇望され、アメリカで外債を募集する御約束をしたのであるが、これについては此の国の状勢を宣伝せねばならぬと進言し、姫君カテリーナをアメリカへお連れ申す事にした。この報に接した米国の1新聞社長ポーターは今度の外債は米人の膏血を絞るものであるとして反対の議論を書き立てていたのだが、当のカテリーナ姫は上陸早々にお多福風邪にかかり、全快までには一月を要する事になった。困ったのはグレシャムで、姫がいなければ外債の募集は出来ず、ここに姫の替玉を作る事を考え、姫が失踪したという事にして、秘かに部下の探偵をして替玉を探させる事にした。所が、ここにナンシー・レーンという失業中の女優がいた。彼女は姫に瓜二つである。グレシャムは彼女に成功の暁には莫大な報酬を与える約束をして、彼女を姫に仕立てる事にした。愈々カテリーナ姫の午餐会の日に、グレシャムは外債をまとめるにはピーターを弄絡するが第1と、この旨をナンシーに云い含めた。するとナンシーの媚びにより忽ちピーターは軟化して、新聞の論説でもタロニア外債を大いに後援する様になったばかりか、毎日ナンシーの紐育見物の案内役を勤め、2週間後には、この2人は到頭意気投合する間柄となってしまった。所が、或る夜、クラブでナンシーは嘗て就職口を頼んだ事のある舞台監督のドナルドに見破されそうになり、続いて新聞記者カークに素破抜かれそうになった。そこで彼女は失踪中のナンシーとなってピーターの所に現われ巧みに姫の存在を明かにした。だがそれも束の間、今度は姫の許婚ニコラウスが渡米して来たので、急地に陥った。外債がいよいよ纏って、明日は姫の送別会という日に、ナンシーは姫に会って自分がポーターを愛している旨を述べた。で、当日は今度は姫がナンシーに代って送別会に臨み、折から渡米した父君とも無事に対面を済ませて、帰国の途についた。が、腹を立てたのはポーターで、30日間ナンシーに欺されていたのだと思うと、口惜しくて堪らずナンシーの処へ怒鳴り込んで行った。だが、2人は結局は愛し合っていた仲なのである。そして万事を水に流して円く納まった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く