幻の合唱

解説

「情熱なき犯罪」「透明人間」のクロード・レインズと「第三階級」「若草物語(1933)」のダグラス・モンゴメリーと共に主演する映画で、チャールズ・ディケンズの未完成小説に取材してレオポルド・アトラスとブラッドリー・キングが書き下ろし、「ミイラ再生」のジョン・L.ボルダーストンと「わがまま者」のグラディス・アンガーと共同脚色し、「鷲と鷹(1933)」「白い肉体」のスチュアート・ウォーカーが監督に当たり「百万ドル身代金」「ナガナ」のジョージ・ロビンソンが撮影した。助演者は「戦争と母性」のヘザー・エンジェル、「ブルースを唄う女」のデイヴィッド・マナース、新入社のヴァレリー・ホブスン、舞台から来たフランシス・L・サリヴァン、ウォルター・キングスフォード、E・E・クライヴ、ルイズ・カーター等である。

1935年製作/87分/アメリカ
原題:The Mystery of Edwin Drood

ストーリー

ジョン・ジャスパーはクロイステルハム教会の聖歌団長として村人から尊敬されていた。しかし、彼には秘密の夜の生活があった。夜な夜な場末の阿片窟に現れるジャスパーは二重人格の哀れな犠牲者であった。阿片の毒は身体を蝕んで精神的にも不健康な性格の破産者であったのである。ジャスパーの甥エドウィン・ドルウドは叔父とは全然異なった快活な性格の持ち主で、ローザ・バッドを愛していた。ローザとエドウィンは幼少の頃から親の許した仲であったが、愛し合う間柄ではなかった。一方、ローザの音楽教授であったジャスパーは心密かに若い彼女を慕っていたのであったが、立場上打ち明けることも出来ずもんもんの情を阿片に紛らしていた。たまたまこの街に知人を頼りに訪れた兄妹があった。それはネヴィル・ランドレスと妹のヘレナだった。その夜晩餐の席上、ネヴィルはローザに酷く引きつけられ、エドウィンはヘレナに恋するようになった。ネヴィルはエドウィンがローザを占有物の如く仄めかした事で憤慨し口論の果ては掴み合いの争闘になったが、幸いジャスパーの仲介で、仲直りの晩餐を共にする事によって解決したのであったが、その晩は恐ろしい嵐となり、樹木は倒れ、橋は押し流される有り様だった。翌朝エドウィンが行方不明になった事を知ったジャスパーは昨夜甥が外出したまま、帰ってこなかったと言って村人たちに捜索方を頼んだ。村から程遠からぬ街道で、大きい荷物を背負ったネヴィルは村人に捕らわれた。ネヴィルとエドウィンがローザの事で争ったとのジャスパーの証言はネヴィルを非常に悪い立場に侵せた。状況証拠はネヴィルの有罪を決定したかに見えたのであったが、ネヴィルを信じる牧師クリスパークルはエドウィンの捜索を極力主張しその結果教会堂墓窟を巡って奇怪なる殺人事件が白日の不に暴け出されんとするのである。果たして犯人は何者であろうか。

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