ボストン物語

劇場公開日:

解説

「心の旅路」「ラッキー・パートナー」のロナルド・コールマンが主演する映画でピュリッツア小説賞を得たジョン・P・マーカンド作のベスト・セラーの映画化である。脚本はこの小説を作者自らジョージ・S・カウフマンと協力して劇化した戯曲に拠り「雨ぞ降る」「スエズ」のフィリップ・ダンが書き、監督には「王国の鍵」の脚色・製作者で、「ドラゴンウイック」で監督に転じたジョセフ・L・マンキウイッツが当り、撮影は「ローラ殺人事件」のジョセフ・ラシェルが監督した。助演者は英国から招かれたペギー・カミンズ、リチャード・ネイ、エドナ・ベスト、「育ち行く年」のリチャード・ヘイドン、「青春の宿」のミルドレッド・ナットウィック、新人のヴァネッサ・ブラウン、チャールズ・ラッセル、舞台での特役を演じるパーシー・ウォラム等。

1947年製作/アメリカ
原題:The Late George Apley
劇場公開日:1948年9月

ストーリー

1912 3年のころ、ボストンの上流の家庭でのことである。エブリイ家の当主ジョージはボストンの旧家の主人らしくこの合衆国最古の都市の伝統を誇り、騒々しい成り上がりの新興都市のニューヨークを軽べつする。きっすいのボストン上流人だけに、格式ばって、重々しい様子をしているが、胸の奥底には隣人の幸福を願う人間らしい愛情がないわけではない。彼にはやさしい上品な妻キャサリンがある。妹アメリアはジョージに輪をかけたボストン型で、権柄ずくで人を見下す奸婦である。その夫ロジャー・ニューコームはエブリイ家の厄介になっている能なしで、アメリアの尻にしかれていつもブランディに酔っている。それともうひとりの妹ジェーンとその夫ホレイショ・ウイリングもエブリイ家の寄食者である。しかしジョージには、そんなことは大して苦痛ではない、困らされるのは娘エリナーと息子ジョンである。エリナーがわがまま一杯の令嬢であるのはいいとして、ボストンの伝統を無視し軽蔑し、事々にそれに反抗しようとする態度をとる。現に彼女が夢中になっているハーヴァード大学助教授ハワード・ボールダーはイェール大学出身の男である。エマーソンも若いころは過激であったなどと講義している困った先生だ。しかもこの先生がニューヨーク育ちであることが我慢ならぬ。ジョンは親戚の娘アグニスと婚約して伝統を守っていたのに、いつの間にか彼女を嫌って、ウォーセスターからきた娘と結婚したがっている、そこで彼はジョンに、自分も若い頃、南ボストンの貧しい娘にのぼせて結婚しかけたが、危うく難を逃れたと話して聞かせる。するとジョンはそのひとと結婚してた方がお父さんは幸福だったかも知れないという。彼は更にいって聞かせる、人間は幸福になるために結婚するのではないのだ、ことにボストンでは幸福はめったにつかめるものではない。これがジョージ・エブリイの人生観である。しかし、彼の伝統に殉ずる精神は時代の波に少しずつこわれて行く。バード・ウォッチャーズ・クラブの会長にも落選した。ジョンにもエリナーにも、思い通り人生を歩ませたければならないであろう。

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映画レビュー

1.5ボストンの古き慣習

2022年8月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

本作がジョセフ・L・マンキウィッツ監督作なので、観てみた。
「ボストンの人間はボストン出身者以外との結婚はNG」とか「ボストンの慣例にならわないとダメ」だとか、ボストンの古き慣習を守ることが大切だと思っている父親と適齢期の子供達(息子と娘)との考え方の相違などを描いている。

子供たちや他の人達の見解を知った父親が、若干は気持ちの切替え見せる雰囲気はあるものの、全編にわたって描かれる「ボストンが基本」・「ボストンが一番」などという雰囲気には付いていけず。
観ていても、「なんだか古臭い考え方だな…」などと思えて、全く面白くなかった。

また、女優含めた俳優も、『拳銃魔』に出演していたペギー・カミンズも特に魅力的とかいうのではなく…。(悪くはないが)

説教っぽい場面はあるが、笑えるような楽しさもなく、退屈な映画だった。

(※)10枚組DVD-BOXは、他では見られないような観たい作品のために購入するのだが、それ以外に収録されている本作のような映画は、観たつもりで放置するのもありかも知れないと思った作品。

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たいちぃ
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