舗道の雨

解説

「ホワイト・シスター(1933)」「戦場よさらば」のヘレン・ヘイズが「ヘル・ビロウ」「夫婦戦線」のロバート・モンゴメリーを相手役として主演する映画で、ローズ・フランケン作の舞台劇に基づいて「晩餐八時」「頓珍漢嫁探し」のハーマン・J・マンキーウィッツが「ホワイト・シスター(1933)」のドナルド・オグデン・スチュワートと共同して脚色し、「ピストル女賊」のエドワード・H・グリフィスが監督にあたったもの。助演者は原作の舞台上演の際に出演したジョン・ビール、「ホワイト・シスター(1933)」「カイロの一夜」のルイズ・クロッサー・ヘイル、「妾の弱点」「透明人間」のヘンリー・トラヴァースその他舞台俳優のマーガレット・ハミルトン、アイリーン・キャッテル、マイナー・K・ワトスン、メイデン・ターナー等も出演する。撮影は「秘密」「霧笛の波止場」のレイ・ジューン。

1933年製作/アメリカ
原題:Another Language

ストーリー

ステラは愛し愛されてヴィクター・ハラムと結婚して、楽しい蜜月の旅へ赴いた。幸福に酔って新家庭の主婦となった彼女は、初めて夫ヴィクターの家族、が2人の結婚に大反対であったことを知った。殊に姑のハラム夫人は息子たちを溺愛してその嫁たちに辛く当たるタイプの女だった。ステラも当然ハラム夫人の息子を奪った女としての憎しみを受けねばならなかった。ただ1人、ハラム兄弟の従弟ジェリーだけはステラに好意を抱いて従兄のヴィクターが母への手前、兄貴たちへの気兼ねからステラを余りかば倭おうともしないのを酷く憤慨するのだった。ステラはヴィクターを愛するためには仕方ないと諦めた。諦める以上は彼女は一同の自分に対する気持ちを少しでも好転させ様と考え、一同を2人のアパートへ晩餐に招待した。ところがむかし気質のハラム夫人はモダン建築のアパートがまず気に入らなかった。で晩餐会は散々の失敗に終わった。ハラム夫人は大変な不機嫌で阿多。ジェリーは困り切っているステラに対して冷ややかに構えているヴィクターの態度を憤慨して、席を蹴った跳び出してしまった。ヴィクターはヴィクターでステラが彼の家族たちに対して乙に気取ってお上品ぶったために、こんな羽目になったのだ、と責めて、彼もまた家を出て行ってしまった。ジェリーは跳び出したものの、後でステラがさぞ心細がっているだろうと考えると気の毒になり引き返した。そして若い世間知らずの彼は、1人しょんぼりしているステラを見ると堪らなくなって、自分は貴女を愛しているのだ、と告白した。ステラは嬉しさと迷惑さで困ったが、ジェリーに貴方は幻想を描いて幻想に恋をしているのでステラを本当に愛しているのではないと諭すのだった。ジェリーはそれを打ち消す様に熱烈な愛の言葉をささやいた。それはステラの胸をも動かすものがあった。ジェリーは夜明け近くまでかき口説いた。ステラは無理に追い返しもしないで甘い言葉に酔っていた。翌日ステラはハラム家を訪れて、ヴィクターの釈明を求めようとした。ジェリーは大贍に自分がステラを愛していることを発表した。ヴィクターは自分の態度が誤っていたことをようやく悟った。そしてステラも自分もやはりお互いに愛し合っていることを感じたので、自分が昨晩家を跳び出したこともジェリーがステラに幻想の愛を捧げていることを知っての上だと言った。ジェリーは幻滅を感じて戸外に跳び出した。ヴィクターはステラをやさしく抱いて2人だけで愛し合うことを誓って、アパートに帰った。

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