風雲の国際連盟

解説

「懐かしの谷」「脱走兵」主演のワーナー・バクスターが「シャーロック・ホームズ(1932)」のミリアム・ジョーダン、「裏町」「母性」のジョン・ボールズを相手役として主役を勤める映画で、ゴードン・モリスとモートン・バートー合作のストーリーを「狼火」「女性に捧ぐ」のブラッドリー・キングが脚色し、「最後の偵察」「宝石泥棒」のウィリアム・ディーターレが監督し、「十三号室の女」「オーバー・ザ・ヒル」のジョン・サイツが撮影したもの。出演者は「アンナ・クリスティ」「忘れじの面影(1930)」のジョージ・マリオン、「悪魔の富籤」「農園のレベッカ」のベリル・マーサー、「チャンドウ」のアイリーン・ウェーア、ハリウェル・ホップス等である。

1932年製作/アメリカ
原題:Six Hours To Live

ストーリー

ジュネーヴの国際連盟本部には世界各国の代表が列席してシルヴァニア共和国代表 ポール・オンスロウ大尉に敵意の眼ざしを投げていた。列国はすべて国際通商条約の調印に賛成したが、オンスロウはこの条約はシルヴァニアの滅亡を招くと言って絶対に反対した。そしてこの条約は満場一致でなければ成立しないことになっているのでオンスロウの一票の反対は成立を妨げるのに十分だった。そこで会議はひとまず休憩となり午後11時再開ということになった。列国代表のある者はオンスロウの出席を妨げることによっても条約の成立を計ろうという意向を漏らすものもあった。場外の群集は悉くオンスロウに罵声と脅迫とを浴びせた。ジュネーヴから20マイル距ったフォン・スターム伯爵の邸では令嬢ヴァレリーとその幼な友達で熱心な求婚者たるカール・クランツが連盟会議の状況をラジオで聴いていた。ヴァレリーはオンスロウの素晴らしい外交手腕と愛国の熱情に感動させられて、カールと父伯爵の反対を押し切って、ジュネーブへ自動車を飛ばし、休憩時間中に伯爵邸で過ごしてくれと頼みに行った。彼女はオンスロウに会って夢中になってしまった。彼は彼女に親友カールが至愛の愛を捧げていることを知ってはいたが、彼女の熱烈な愛の告白に動かされて彼女を抱きしめるのだった。伯爵邸の賓客オット・ボーアー教授は死者ヲ蘇らす法を発見してそれをウサギに実験して見せるために来合わせていた。しかし教授の蘇生術は6時間しか効果はないのだった。ヴァレリーはオンスロウを愛するあまり、忙しい外交官生活を直ちにやめて彼女だけのものになって呉れと頼んだ。オンスロウはしばらく考えさせて呉れと言って別室に退いた。そこに何者かが忍び入ってオンスロウを絞殺して立去った。その死骸を眺めた教授は新発見を人間に試みて成功した。オンスロウは自分が一旦死んだことを絶対に秘密にすることを教授に誓わせた。そして彼は一同と晩餐を共にした後連盟に駆けつけて、最後の投票をした。それでシルヴァニアは安泰に置かれたのである。伯爵邸に帰った彼は余命幾何もなきを悟って、ヴァレリーにカールを愛せと説得し、静かに椅子に座って6時間の2度目の生を了えて冥府へ帰ったのであった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る