真紅の文字

解説

ナサニエル・ホーソンの代表的名作小説を映画化したもので、フランセス・マリオン女史が脚色し、「殴られる彼奴」「男の名を言え」等と同じくヴィクトル・シエストレム氏が監督した。主役は「ロモラ」「ホワイト・シスター(1923)」等主演のリリアン・ギッシュ嬢と「呪いの絆」「運命の焔」等出演のラルス・ハンソン氏が演じ、ヘンリイ・ウォルソール氏、マウセル・コルデエ嬢、カール・デーン氏及びジョイス・ゴード嬢が助演している。

1926年製作/アメリカ
原題:The Scarlet Letter

ストーリー

清教徒的精神が極端に勢力があった17世紀の中頃ニューイングランドのある清教徒の集落の起こった悲劇である。村の裁縫婦のヘスター・ブリンは美しく若く、快活な心の持ち主だったので、厳格一方の村人たちの間に於いては彼女は軽はずみなふるまいをするように見えるのだった。そしてヘスターは安息日に駆け回って遊んだという罪で教会に於いて牧師アーサー・デイムズデールに謹責され、罰として手足枷をはめられた。デイムズデール牧師はしかし情ある男だったので処罰中のヘスターに水を与えたりしていたわってやった。このことはやがて若い2人が恋し合うようになる機縁になった。そして崇敬されている牧師と軽蔑されている裁縫婦との熱烈な恋愛はその行きつくところまで行ったのだった。その後デイムズデール牧師は布教のためにしばらく村を去って旅行した。その留守の間にヘスターは子供を産み落とした。デイムズデールが帰って来た時、ヘスターは曝し台(頭と両手を孔から出して佇立させる刑罰)にかけられ「姦婦」の頭文字たるAの印をつけられていた。彼女は如何に責められても相手の男の名を言うことを拒んだ。牧師は彼女に自分も刑罰を共に受けようと言ったが、ヘスターは黙っていてくれと願った。何故なら牧師は村人の理想であり、理想を砕くことはやがて罪の報いを得ざらしむる基であるからと彼女は言った。その後ヘスターがあえて英国に於いて結婚し、後に行方不明になった良人ロージャー・プリンがチリングワースと名乗って突然姿を現した。そして彼の悪戯っ子に成長した可憐なパールの父親が牧師であることを発見し、2人を苦しめることに残忍な喜びを覚えるのだった。遂に牧師とヘスターとは村を逃げ出してしまおうと決心し、デイムズデールはヘスターの胸からAの字をはずしたが、無邪気なパールはAの字の意味を知らず母の胸にあるべきものと信じているので、Aの字が元通りつけられるまでは動かなかった。牧師はこれに動かされて自ら秘密をぶちまける決心をしてすばらしい説教をするや、曝し台に登って自分がヘスターの隠し男であると告白しヘスターがAの字をつけられると共に、自ら胸の肉に烙印して置いた赤い文字を示した。そしてデイムズデールはヘスターに抱かれながら曝し台の上で死んでしまった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0ピアノ演奏による特別上映を鑑賞。何より作品の質の高さにびっくり。表...

2018年10月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ピアノ演奏による特別上映を鑑賞。何より作品の質の高さにびっくり。表情と動作だけで十分に心の機微が伝わってくる。リリアン・ギッシュはもちろんだが即興を交えた伴奏も素晴らしかった。

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tsumumiki
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