春の花巴里情調

解説

J・グラブ・アレキサンダー氏、ジェン・ペアリー氏合作の物語をアレクサンダー氏が脚色し「ロスト・ワールド」と同じくハリー・O・ホイト氏が監督したもので、主役は「極楽突進」「駅馬車(1925)」等出演のベティー・カンプソン嬢が演じ、対手役は「神出鬼没鬼警官」「傷める胡蝶」等出演のハーバート・ローリンソン氏が勤め、エディス・ヨーク嬢、アーマンド・カリス氏、トム・リケッツ氏等が助演している。

1926年製作/アメリカ
原題:The Belle of Broadway

ストーリー

パリ劇壇の花と謳われた女優アデルには人こそしらね夫も子供もあった。ある夜偶々観客中のラウーヅ・ド・パルマ伯爵の秋波を受けた為、彼女は夫の嫉妬と憤激とをかい本意なくも夫と子供とに別れねばならなかった。心の痛手は彼女の舞台に陰影を宿し、かくて人気は失墜し幾何もなくして舞台を追われたアデルは一人薄幸を嘆くより他はなかった。マリー・デュヴァルという乙女は梨園の名花たらんと志してパリに上り図らずもアデルの家を宿とした。マリーは若かりし日のアデルの面影に似ていたのでアデルはマリーを若返ったアデルとしてパリの舞台に立たせた。マリーのアデルは奇を好む都会士の好評を得彼女に慕い寄る者も多かった。中にもポール・マーリンは彼女に熱愛を捧げマリーもまた憎からず思った。又昔アデルを慕ったド・バルマ伯爵は若いアデルに思いを焦がし、はしなくもポールと恋を争う立場になった。決闘が行われ伯爵は微傷を追って愛をポールに譲った。マリーは歓んで愛人ポールをアデルに紹介すると、縁の糸は奇しくもポールこそはアデルがあえて別れた愛児であった。かくて歓喜の涙と共にマリーとポールは結ばれた。

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