白魚賊

解説

「ヴァレンタイン」「赤熱の十字架」「靴と恋」などと同じくバート・ライテル主演メトロ映画で、ジャクソン・グレゴリーの小説をレノア・コフィーが脚色したものである。監督はベイヤード・ヴェイラーで老役の名手エディス・チャップマン夫人や、「疑惑の下に」などに出演のオーラ・ケイリューが相手役として出演している。

1921年製作/アメリカ
原題:Ladyfingers

ストーリー

金持ちの婦人ラッチェル・ステセリルは独り娘が自分の意志に背いた結婚をしたため、娘と縁を切りある椿事で娘が死んだ時もその遺児の世話をさえ拒絶した。この憐れな幼児はその後銀行強盗の英国人ハリーに養われた。ハリーはその男の子の極めて繊細な手を見て彼に金庫破りの術を教え込んだ。廿年後、幼児は成長して今はロバート・アッシ渾名は「レーディーフィンガー」と呼ばれて稀代の金庫破りとなり、数年間彼の逮捕に苦心している役人アンブローズの眼前でまで大胆な犯罪を敢行した。金庫会社が挙行した符号なしで金庫を明ける懸賞などは易々と彼の手に入った。一方ラッチェル夫人は雇弁護士ジャスティンに頼み昔別れた孫の所在を探索せしめていたが、ジャスティンはもしその孫さえ現れなければ夫人の養女エニッドが財産相続人となるのに目をつけ大切な使命よりエニッドと結婚する工夫に忙しかった。ある機会でロバートはエニッドに会い急に彼女恋しくなった。ジャスティンは彼らの仲の進むを恐れ、彼を夫人即ち実は祖母の家へ誘惑し夫人の宝玉を餌に罪を犯させ彼の盗賊たるを証しこの家に出入を許さぬ計画を立てたが、頭の良いロバートはこの罠には落ちなかった。夫人は彼が亡き夫に酷似しているのに気づいた。種々と興味ある事件の後、ロバートは今までの犯行に対する社会への貴を負い敢然2年間の刑に服し、刑期を終えて、祖母とエニッドとの3人で楽しい家庭を作った。

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