二国旗の下に

解説

「モンテカルロの銀行破り」「嵐の三色旗」のロナルド・コール マンが「花嫁の感情」「白い友情」のクローデット・コルベール、「男の敵」「海を嫌う船長」のヴィクター・マクラグレン、「アメリカの機密室」「何が彼をそうさせたか」のロザリンド・ラッセルと共に主演する映画で、ウィーダ作の小説に基づき「ガルシアの伝令」「噫無情」のW・P・リプスコームがウォルター・フェリスと協力脚色し「南海征服」「カヴァルケード」のフランク・ロイドが監督にあたり、「運河のそよ風」「モンテカルロの銀行破り」のアーネスト・パーマーがシドニー・ワグナー以下の協力を得て撮影したもの。助演者は「めりけん音頭」のグレゴリー・ラトフ、「丘の一本松」のナイジェル・ブルース「虎鮫島脱獄」のジョン・キャラダイン、C・ヘンリー・ゴードン、ハーバート・マンディン、オンスロー・スティーヴンス等である。

1936年製作/アメリカ
原題:Under Two Flags

ストーリー

イギリス人のヴィクターはフランス外国人部隊に入隊して日も浅い のに輝く武勲を立てて軍曹に昇級した。そしてドイル少佐が率いる大隊に轉補された。ドイル少佐は外国人部隊でも鬼とうたわれる猛将であるが、シガレットと呼ばれる酒場の女将に夢中に惚れていた。シガレットが経営しているキャバレーに遊びに行ったヴィクターは、その外国人部隊に似合わない上品な紳士らしい態度で、シガレットに胸のときめく思いをさせた。いつも荒くれ男も相手ばかりしている彼女は、ヴィクターを口説かないではいられなかった。しかも彼はシガレットを素っ気なくあしらった。けれどもその次に逢った時ヴィクターは前夜の失礼の詫びにキスした。そして二人は砂漠へそぞろ歩きして恋を語ったのだった。しかしシガレットには憐れ、ヴィクターはイギリスの総督に伴われて来たヴェネシア・カニンガムという令嬢に愛を抱いたのである。イギリスのアフリカ軍団とフランス外国人部隊は、砂漠の奥地に勃発した原住民兵の反乱を共同で征討すべく会議を開いた。蜂起した原住民兵の頭梁はシヂ・ベン・ユウチフという手強い酋長だった。ドイル少佐は大佐に昇進して遠征軍を統率すべく任命され、愛するシガレットにこの吉報を知らせたが、彼女は素っ気なかった。憤ったドイルはその原因が彼女のヴィクターへの愛と知って、三度ヴィクターを危険な任務に遣った。ヴィクターは三度生還したが四度目に敵に包囲されてしまった。ドイルは今更悔いてヴィクター救援に赴いた。一方ヴェネシアはヴィクターが弟の罪を着て外国人部隊に自ら流謫の身となった経緯を聞き、いよいよ彼への愛を深くした。シガレットは恋するヴィクターがイギリス夫人と愛し合っていることを知り、一度は嫉妬に胸を焼いたが、愛する男を救わねばならぬと決心する。ドイルは原住民兵の奇襲に遭ってヴィクターと共に危地に陥った。死に直面したドイルはヴィクターと握手した。その時救援軍が鯨波を挙げて来た。先頭にはシガレットが立っている。戦塵おさまって原住民兵が死屍を捨てて退却した時、シガレットは瀕死の重傷を負って倒れていた。ヴィクターがしっかりせよと抱き起こすと、シガレットは、私があの方のためにあなたを救った、と伝えてねと囁いて息絶えたのであった。

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