頓間パルーカ

解説

「霧笛の波止場」と同じくエドワード・スモールが作製したリライアンス映画でユナイテッド・アーチスツが配給した。「駄法螺男爵」「キートンの麦酒王」のジミー・デュランテ、「薮睨み武勇伝」「コンゴ」のルーペ・ヴェレス、「南風」「春の火遊び」のスチュアート・アーウィンの3人が出演し、「暴走する悪魔」のベンジャミン・ストロフが監督した映画である。脚色は「舗道の雨」のガートルード・パーセルと「ママはパパが好き」のアーサー・コーバーがジャック・ジェヴンと協力してハム・フィッシャー作の連続漫画から組み立てたもので、撮影は「透明人間」と同じくアーサー・エディソンが行った。助演者中主な人々は「冷蔵庫の赤ん坊」のロバート・アームストロング、ウィリアム・キャグニー、「女性暴君」のマージョリー・ランボー、「土曜日の観衆」のメアリー・カーライル、「めりけん音頭」のセルマ・トッド、等である。

1934年製作/アメリカ
原題:Palooka

ストーリー

寄席芸人のメイム・パルーカは夫のピートがボクシングが強くて、そしてそのために女たちに騒がれ、いつも彼女を捨てて顧みぬので、つくづくボクシングに嫌気を覚え、息子のジョーを抱えて田舎に引きこもった。ジョーは愚直に平和に成長して行き近所の娘アンと恋仲となり、メイムの心配も過ぎたと見えたが、時にこの田舎にノビーというインチキなボクシングのマネージャーが来て、ジョーが実は前選手ピート・パルーカの息子であると知るや、たちまち彼をそそのかして都へ連れ出してしまった。ところが、ジョーはノビーの期待に反して第1回戦にはノッケから打倒される。しかし、ノビーは次いで彼をマネキンボクシング家に仕立てることを思い付き、次々とジョーには知らせずに八百長試合で彼を勝たせた上に、さてその上で彼を選手権保持者のアル・マクスワットと組ませたところ、アルは泥酔してたのでジョーに殴り倒された。かくてジョーが選手権保持者となると、今までアルの情婦だったキャバレーの唄姫のニナはたちまちアルをジョーに乗り換える。選手権を奪われた上に、恋人まで取られてしまったアルは怒ってジョーに復讐戦を申し込む。強いと自負しているジョーはそれに応じ様とする。ノビーは驚いてそれを止めたが、ジョーは言うことを聞かない。息子がボクシング家になったとしった母親のメイムがアンを連れて上京し彼を戒めたが、これも効き目がない。と、その時、10年ぶりで父親のピートがブラリとやって来て、ジョーのトレイナーになり、ジョーを本式に仕込んで晴れの試合に備えさせた。駄が、今はコンディションの良くなっているアルを前にしては、ジョーは敵ではない。遂に彼は打ち破られる。選手権を恋していたニナは直ちにまたアルを好きになり、ジョーから去っていった。ここでジョーも迷いの夢が醒め、母親やアンと兵に田舎に帰ることになった。ある日、田舎に彼らの一家を訪れた親子3人がいる。が、驚くべし、それはノビーとニナとその愛子の3人で、ノビーは今では何んとアルのマネージャーになっていた、というのである。

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