濁流(1934)

解説

「キャバレエの鍵穴」と同じくローウェル・シャーマンが監督に当たった20世紀映画で「死の航空路」のラルフ・グレイヴスが自らの原作を潤色して台詞を書き、マリスン・ジェコブスが脚色したもの。主演者は「ロスチャイルド」「キャラバン」のロレッタ・ヤングと、「三日姫君」「接吻とお化粧」のケーリー・グラントで、子役ジャッキー・ケルク「ウィーンの再会」「舗道の雨」のヘンリー・トラヴァース「白衣の騎士」のラッセル・ホプトン、「乾杯の唄」のハリー・ブリーン、アンドリュー・トームス、マリオン・バーンズ、ポール・ハーヴェイ等が助演している。撮影は「キャバレエの鍵穴」「バワリイ」のバーニー・マクギルの担当。

1934年製作/アメリカ
原題:Born To Be Bad

ストーリー

若く美しかったレディー・ストロングは、その人生の第一歩を踏み誤って、よるべない身重な身柄を親切なファヂル老人に救われ、ミッキイと言う男の子を生んだ。その後彼女はファヂーの家を出てある衣装会社のマネキンになり、夜毎きらびやかな衣装に身を飾って、地方からの会社の顧客の機嫌を取り、多重な仕入れをさせてそのコミッションで贅沢な生活をする様になったが、ミッキイは彼女のこうした生活態度に影響されて立派な不良少年となってしまっていたのである。ある日街路に遊んでいたミッキイは、ミルク会社のトラックに衝突して怪我をしたが、この時呼ばれた医師のドロプシイは密かにレディに入れ知恵してミッキイの怪我を種に悪徳弁護士アドルフに語らって、ミルク会社の社長で、事業視察のためその日偶然そのトラックを運転していたマルコム・トレヴァーを相手取って、莫大な損害賠償を要求する訴訟を提起した。しかし、その法廷において、レディー側のインチキがすっかり暴露されたので、彼女は幼い子の将来を損なう者として、ミッキイを養育院へ奪い取られた。レディーは母としてこの屈辱に耐え兼ね、マルコムに再三哀願し、マルコムが引き取るという条件でミッキイを養育院から出すことに成功した。ミッキイはマルコム夫妻の愛撫を受け、初めて生き生きとした子供らしさを取り戻し、その生活を楽しんでいたので、レディーが色々な方法でミッキイを取り戻そうとしても中々に成功せず、マルコムからは母としての資格のない悪い女だと罵られたので、ついに彼女はその美貌をもって彼の良心を麻痺させて、彼に復讐し、同時に子供を取り戻そうと計った。見事にレディーの罠に掛かったマルコムは、しかし自分が実はレディーを愛していたことに気がつき妻の了解を得て離婚し、彼女と結婚する事を申し出たが、レディーはあくまで彼と争ってミッキイを連れ去ろうとした。この騒ぎの中に誤ってミッキイがプールに落ち、これをマルコムの妻アリスが救った事から、アリスのその夫やミッキイに対する犠牲的な愛情がレディーの心を打ち、長い間忘れられていた彼女の純情が目覚めて、ミッキイをマルコム夫妻に委ねて彼女は人生へに再出発をなすべく、ファヂー老人の許へ帰って行くのであった。

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