世界の英雄

解説

「男女の戦」「心の歌」に次いでD・W・グリフィスが監督した作品で、リンカーンの伝記を劇化せる映画。ジョン・W・コンシダイン・ジュニアがストーリーを執筆し、スティーブン・ヴィンセント・ベネットと前2作の脚色者ゲリット・ロイドが脚色、台詞を担当し、「スキピイ」「悪魔が跳び出す」のカール・ストラッスがクランクした。主役リンカーンには「戦争と貞操」「女は嘘つき」のウォルター・ヒューストンが扮し、「コウモリは囁く」のユーナ・マーケル、「トレスパサー」のケイ・ハモンドその他が助演している。

1930年製作/アメリカ
原題:Abraham Lincoln

ストーリー

アメリカ合衆国の南部北部に動揺の兆しある1809年 2月12日、アブラハム・リンカーンは樵夫の子として産声を上げた。長ずるに及び怪偉なる容貌体躯と聡明な頭脳を持つ若者となったが22歳の時はいまだイリノイ州一小村の雑貨点に働く1人の使用人にすぎなかった。だが将来の大成を願う彼にとってその仕事は決して満足できるはずももない。1834年、アン・ラットレッジなる一女性と知り合って恋を覚える間も無くその急死に会うと共に彼は悶々たる胸中の悲しみを忘れんがため法律家たるべく勉学に専念した。時にインデアン討伐の軍組織されるあり、彼は大隊長として勲功をあらわし、帰来するや法律家として資格を与えられた。前知事エドワーズ邸に舞踏会の催されたる日、リンカーンは乙女メリー・トッドと初めて会う。メリーははじめ彼の怪偉なる容貌に似合わぬ臆病さに可笑しささえ覚えさせられたが、やがてそれは言い知れぬ慕わしさに変わって行った。2年後フランシス夫人邸に会った時、両者は遂に固い縁にむすばれるに至った。その頃既に弁論家としてのリンカーンの名は政界人士の認めるところとなり次期大統領選挙には共和党より選ばれて立つこととなった。かくてリンカーンは絶対多数をもって合衆国最高の地位についた。時恰も南北両部の軋轢一語にその激烈さを加え売奴廃止論者の一体のハーバース・フェリイの兵器庫占領に端を発しここに南北戦争の幕が開かれることとなった。大統領リンカーンの胸中にはもとより南部、北部の別等あるはずもなかったが、奴隷解放令発布とともに政府の意思を容れざる南方人が目にあまる暴状を耳にては一部反対者の意見を退けても永遠の平和を確保するためには連合軍を指示してあくまで勝利を得んと決心し、ここにグラント将軍に命じて指揮を任じた。しかるに形勢は連合軍に日ごと不利。だが吉兆の夢によってリンカーンは戦勝を信じていた。シェリダン将軍の攻略功を奏したると一転機として南軍の勢力衰え、リー将軍率いる南軍はグラント将軍に粉砕されるを最後としてさしもの内乱も鎮定さるるに至った。1845年 4月14日、平和克復の祝賀会が開かれることとなった。リンカーンはその夜、会場たるフォード劇場において一世の雄辞を振い祝賀の辞をおくった。が、その名演説後数分にして凶漢ブースに襲われ全国民哀悼の中にこの世を去ったのであった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く

他のユーザーは「世界の英雄」以外にこんな作品をCheck-inしています。