水曜日の恋

解説

「四十二番街」「風雲の国際連盟」のワーナー・バクスターと「女性暴君」「地獄特急」のエリッサ・ランディが主演する映画で、モリイ・リカーデルとウィリアム・デュボアの合作した舞台喜劇に基づいて「街の狼」「軟派ガール」のフィリップ・クラインが「滅び行く凱歌」のホレース・ジャックスンと共同して脚色し、「あめりか祭」「十三号室の女」のヘンリー・キングが監督にあたり、「あめりか祭」「第一年」のハル・モーアが撮影したもの。助演者は「あめりか祭」「水兵上陸」のヴィクター・ジョリー、「風雲の国際連盟」「シャーロック・ホームズ(1932)」のミリアム・ジョーダン、ローラ・ホープ・クルーズという顔ぶれである。

1933年製作/アメリカ
原題:I Love You Wednesday

ストーリー

ヴィッキ・メレディスはパリで舞踏を修業している。彼女にはランドール・ウィリアムスという恋人があって、恋と芸術とに幸福を感じている。ところがランドールの妻が来るという知らせにヴィッキは驚かされながらも、自制して彼に言うのである。“たとえ妾しは水曜日に貴方を愛したにしろ、木曜日にはもう愛してはいなかったのよ”ヴィッキはかくて南米へ旅興業の舞踏団に加わって行き、計らずもアメリカ人の建築技師フィリップ・フレッチャーと相知った。フィッリプは男っぷりも良かったが頭も腕も良く輝かしい未来を持つ男だ。ヴィッキはパリへ帰るのに、フィリップの言うがままに彼と共にニューヨークまで同船した。船中で恋は芽生えた。しかし彼女の態度には彼1人を愛する女らしからぬ冷ややかさがあるのをフィリップは物足りなく思った。ヴィッキはパリに帰って舞踏家として世界的名声を捷得たが、その成功にはフィリップの純な愛がインスピレイションとなって働いたことを彼女は感じたのだった。それからヴィッキとフィリップは愛し合う者だけが味わい得る幸福に酔った。ヴィッキが出演する最後の日、ランドールが現われた。彼は妻のシンシアと近々離婚する旨を告げたが、ヴィッキは冷ややかに今は愛する男があると答えた。その夜劇場で逢ったフィリップとランドールはヴィッキと共にある酒場へ赴くと、そこにはシンシアが来ていた。シンシアとフィリップは旧知の間柄だったので親しく言葉を交わした。ヴィッキは2人の男を前にして自分が選ぶべきは何であるかに迷った。フィリップは、船は出帆の用意をしているから決心のつき次第に知らせてくれと言ってシンシアを送って行く。ランドールは昔の恋を復活させようと努め、ヴィッキのアパートへ赴く。シンシアはランドールとヴィッキが駆け落ちする筈だとフィリップに告げるが、シンシアが夫を愛していることは疑うべくもなかった。一方ヴィッキのアパートでは、ランドールが髭など剃っている間にヴィッキは正気に返り、古い恋を復活させようと努力している自分の愚かさを悟ってシンシアの許に電話をかけてすぐに来てくれる様にと頼んだ。それでランドールが浴室から出て来た時にはヴィッキの姿は無く、妻のシンシアが1人待っているのだった。フィリップはヴィッキを待っていた。その姿を見た瞬間ヴィッキは愛する男は彼をおいて他にないことをはっきり感じた。彼女は喜び溢れてフィリップに誘われるままに彼のヨットへと急いだのであった。

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