人類の心

解説

「嵐」の次に製作されたユ社ジウエル作品ハウス・ピータース氏主演映画である。もの原作は死んだウォーレス・リード氏の父君ハル・リード氏作のかつて大当たりを取った有名な舞台劇である。「野に咲く花」同様ルシェン・ハバート氏が脚色し、ユ社へ復帰のキング・バゴット氏が監督した。ユ社社長カール・レンムル氏が米国婦人連盟の優良映画要求の声明に答えてこの映画を提供したという、力を入れた作品。母の慈愛、家庭の暖かさを讃えた映画。ピータース氏の外にエディス・ホーラー嬢、ガートルード・クレイアー夫人が達者な所を見せ、尚その他ラッセル・シムズン氏ジョージ・ハッカソーン氏等定評のある人々や、新進のメエリー・フィルピン嬢も出演している。

1914年製作/アメリカ
原題:Human Hearts

ストーリー

トム・ローガンは謹直な孝行者であったが、バーバラという女と父の意に反して結婚した為、父の不快を買った。バーバラはトムが継ぐべき財産の未知の炭脈を蔵する土地を目的に彼と結婚した心良からぬ女で、二人の間にその後一女を得たがたちまちこの田舎生活にも飽きてしまった。父はこの謀略を窮知していたのである。一夜トムの外出中バーバラの昔の情人でこの悪計の相棒たるジェイが来て、子供を連れて彼女は遂に逃げてしまった。憐れにも父はこの両人を妨げ様として悪人ジェイの為に斃され、愛兄トムの犠牲となった。父の死を己が妻の仕業と信じたトムは妻を救う為、甘んじてこの犯罪を身に引受獄に入った。老いたる盲目の母は不幸の息子トムの為に朝に夕に神に祈る。その誠心の通じてか、バーバラは情人ジェイの卑劣極悪の心事を漸く厭い、トムの濡れ衣の原因たる殺人罪の真の事情を告白した。放免されたトムは彼の愛児を取り返すべく妻を訪れたが、丁度凶悪なジェイがバーバラの自白に復讐を加えんとする所でここにあくまで妻を助けんとするトムと凶漢との間に大争闘が起こった。今は改心したバーバラはトムの身を護らんとして撃たれた。この出来事は却ってトムとバーバラとの間の和解の端緒となり、後愛児を伴い家に帰ったトムは、病いの癒えた妻と共に平和な幸福な家庭を作り、母の慈愛に報いた。

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