地獄の波止場(1930)

解説

女流作家リダ・ジョンソン・ヤング作の小説より「彼女は戦いに行く」のフレッド・デ・グレサックが改作し、「熱沙果つるところ」のクラーク・シルヴァーネイルが脚色した南海情話である。監督は「彼女は戦いに行く」「春を讃えよ」のヘンリー・キング、主演者は「激流恋をのせて」「嵐」のルーベ・ヴェレス、相手役は「彼女は戦いに行く」のジョン・ホランドでこれに「あけぼの」「思い出」のジャン・ハーショルト、「グリード」のギブソン・ゴウランド、「踊る人生」のアル・セント・ジョン・ハリー・アレン、ポール・E・バーンズ等がつき合っている。カメラ担当は「国境の狼群(1930)」のマック・ステングラーとジョン・フルトンの二人である。

1930年製作/アメリカ
原題:Hell Harbour

ストーリー

アニタ・モーガンは海賊の血を受け継いだ野生的な娘だった。彼女の父ハリーは島の憎まれもので、これもまた悪名の高いジョゼフ・ホーンゴールドと親交があった。ホーンゴールドは真珠取り引きで莫大な金を儲けたので、かねてから想いを寄せているアニタを嫁にと所望する。ある日、立派に真珠を持ったペッグ・レッグという男がこの島へやってきた。ホーンゴールドとハリーの二人は真珠ほしさに眼を光らせたが、その夜ペッグ・レッグはダンス・ホールで何者かの手にかかって殺された。ホーンゴールドは、その下手人がハリーであることを目撃し、これをタネにしてアニタを手にいれようと思いつきハリーをしきりと脅迫する。アニタは恐ろしい顔をしたホーンゴールドに愛など感じよう筈もないので結婚しないと言う。すると父親ハリーは暴力に訴えてもと強要した。だがアニタはどうしても父の意に従わなかった。その翌朝、アメリカ人の真珠取り引き人ボッブ・ウェードの船が入港してきた。ホーンゴールドは真珠と結婚の衣装とを交換するのだと言う、アニタはウェードが真珠を買わなければ嫌な男の嫁にならずにすむと思い込み、ウェードの船へ来るが、かえって彼の男らしさに心ひかれてしまう。アニタは真珠を盗出してウェードに渡す心算であった。ホーンゴールドは真珠を盗んだのはハリーだと思い込み、口論の末、ハリーはホーンゴールドを殺害する。真珠を持ってきたアニタを誤解したウェードは父親ハリーのところへ帰れと追い払うが、やがて心を取り直してアニタをさがしに島へ戻る。が捜索の効もなくアニタは見つからない。アニタがいないことが判るとウェードは何故か言いようのない寂しさに襲われた。彼もまたアニタを恋していたのだった。しかしアニタの行方の判らぬままにウェードは諦め切れぬ心を抱いて出航せねばならなかった。しかるに船が洋上へと出た時、ウェードはアニタが船内の救難艇の中に身を潜めているのを発見した。そして邪悪の手から解放された愛人同志は初めて相抱いたのである。

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