新聞と暴力

解説

「ケンタッキーの唄」「紐育万華響」のフレデリック・ハズリット・ブレナンが脚色の筆をとり「ハバナから来た女」「紐育万華響」のベンジャミン・ストロフが監督にあたった。主演者は「サンダーボルト(1929)」「地獄の一丁目」のロバート・エリオット、「ハバナから来た女」「紐育万華響」のポール・ペイジ、「ケンタッキーの唄」「懐しのアリゾナ」のドロシー・バージェスで助演者はベン・ヒューレット、ドロシー・ワード、ジョー・ブラウン、ロイ・スチュアート、ウィリアム・トゥーカー、アーサー・ホイト等。カメラは「ハバナから来た女」「紐育万華響」と同じくジョセフ・ヴァレンタインの担当である。

1929年製作/アメリカ
原題:Protection

ストーリー

これは悪政治家と結託して跳梁を共にする無頼漢の一味と正義のために立つ新聞紙との間に引き起こされた闘争の物語である。ウォーレス・クロケット編集長とチック・スレーター記者とは、暗黒街に王者のごとく羽振りを聞かせている「ビッグ・ジム」ダニングのいっさいを徹底的に暴露せんと手はずを決めて、この危険なる仕事にとりかかった。まず最初の手段として2人はダニングに背いて脱党した娼婦のマートル・ヘインズを利用して、ダニング一味の秘密をさぐり出した。やがて仲間のおきてによって裏切り者のマートルはダニングに命を奪われたが、その時チック・スレーターは女記者ジュディー・ホープとある隠れ家に立てこもって無頼漢一味の行動を見張った。そしてダニングの一段が悪徳政治家と巧妙な黙契を交わしている事実を知る事ができた。喜び勇んだ2人は、その証拠をもって新聞社に飛んで帰った。編集長のクロケットはさっそくこれを記事として大々的に掲載した。ダニングが殺人を冒していながら、警察の手によって捕らえられないのは、警察官の上にある政治家とある契約が出来ているからだということが白日の下に晒しだされた。こうして彼らの悪事が暴露されるや、ダニングは己が罪状をくらまさんがために苦心した。だが新聞紙が社会に対して呼びかける力は大きい。さすが暗黒街の王者と自負しているダニングも、新聞紙の力には打ち勝ちがたきを知った時、彼は苦し紛れに政治家たちの罪をあばき出し、社会の注意をその方面に転じんとする。遂に従来隠蔽されていた政治家の悪業の数々が順次に人々の耳目を動することになった。ダニングの裏切りを知った政治家たちは、この男を亡き者にするため一夜巧妙なる策略をもってその命を絶たんと図る。かくてこの事件を中心にして新聞社爆破機関銃戦その他の凄壯なる活劇が矢継ぎ早に続発する。

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