モヒカン族の最後(1936)

解説

ジェームズ・フェニモア・クーパー作の『モヒカン族の最後』の映画化で、「薔薇はなぜ紅い」「艦隊を追って」のランドルフ・スコット、「黄金(1936)」「ダイアモンド・ジム」のビニー・バーンズ、「十字軍」「クレオパトラ(1934)」のヘンリー・ウイルコクスンを始め、「暗黒街全滅」のブルース・キャボット、「男の敵」のヘザー・エンジェル「白蛾」のフィリップ・リード、「丘の一本松」のロバート・バラット、ヒュウ・バックラーおよびウイラード・ロバートスンが共演する。監督は「断乎戦うべし」「歓楽の女王」のジョージ・B・サイツで、ジョン・L・ボルダーストン、ポール・ペレス、ダニエル・ムーアが協力して潤色し、「忘れじの歌」「巌窟王(1934)」に参与したフィリップ・ダンが脚色した。撮影は「忘れじの歌」のロバート・ブランクが担当している。

1936年製作/アメリカ
原題:The Last of the Mohicans

ストーリー

18世紀の後半欧州の天地が7年戦役で震駭している最中、英仏の 両国は植民地争奪に必死の闘争を続けていた。北米の英国植民地はカナダから迫るフランス植民地の発展に脅かされ、その上モントカームを首領とするインディアンの跳梁に苦しめられていた。ついにイギリス本国では援軍の派遣を決定し、この吉報をオルバニーに駐在するマンロー大佐に伝えたのは大佐の姉娘アリスに恋するヘイワード少佐だった。援軍到着以前にモントカーム一族の襲撃に苦しんでいるウイリアム・ヘンリイ保砦を安全にするため、正規兵の外に義勇軍を加えて行動が開始された。アリスと妹のコーラは大佐の下に働いているインディアンのマグワの言葉を信じて間道伝いに保砦へ向かったが、途中敵手に捕われてしまった。その時義勇軍のホーキーと、イギリスに好意を寄せているモヒカン族チンガグークとその息子アンカスが姉妹を救い出す。保砦で大佐が娘の安否を気遣いながら戦っている時、フランス軍隊も着々とイギリス軍攻撃の準備を進めていた。モントカーム一族の跳梁はますます激しく、ついに植民地の家族が脅かされるので義勇軍は解散されてそれぞれ家へ帰ったが、ホーキーと二人のインディアンはアリスとコーラを大佐の下へ送り届けたので保砦を脱出することが出来なくなった。戦いは続いたが援軍は到着しそうもない。その内にアリスは次第にホーキーに心を惹かれていく。それを見たヘイワード少佐は快く思わず、ホーキーに反逆者の名を着せて捕らえてしまった。保砦はついにモントカーム一族の手に落ち、大佐は戦士し、姉妹は人質として捕われた。ホーキーは部下のモヒカン族と囲いを破って脱出し、ヘイワードもわずかに身を以て逃れた。コーラは彼女を崇拝しているモヒカン族のアンカスに救い出されたが敵の追っ手に逃れ得ず、アンカスはイギリス軍を裏切ってモントカームのスパイをしていたマグワのため断崖から投ぜられ、コーラもその後を追って身を投じてしまった。アリスはヘイワードに救われたがその身代わりに少佐が捕らえられた。ホーキーは身を挺して少佐を救い出す。その時ようやく援軍は到着し保砦は再びインディアンの手から奪回された。イギリス正規兵に編入されたホーキーはアリスへの恋をヘイワード少佐に譲り、彼は開拓者の先駆として正規軍と共に西へ向かって出発する。

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