サヨナラ

劇場公開日:

解説

「南太平洋」「トコリの橋」で日本にも馴染み深いジェームズ・A・ミッチェナーの同名小説の映画化で今年、日本ロケして完成した。「エデンの東」のポール・オスボーンが脚色、「バス停留所」のジョシュア・ローガンが監督した。撮影は「友情ある説得」のエルスワース・フレデリックス、音楽は「昼下りの情事」のフランツ・ワックスマン。主演は「八月十五夜の茶屋」のマーロン・ブランド、2世の新人、高美以子、「日のあたる島」のパトリシア・オウエンス、「君知るや南の国」のリカルド・モンタルバン。ほかにマーサ・スコット、ナンシー梅木、新人、久場礼子など。

1957年製作/147分/アメリカ
原題:Sayonara
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1957年12月20日

ストーリー

朝鮮戦争で活躍した米空軍のジェット・パイロット、ロイド・グルーバー少佐(マーロン・ブランド)は、休養のため日本で内地勤務に服せよとの命令で、同僚のケリイと日本へ来た。グルーバーの日本勤務は、彼の婚約者アイリーン(パトリシア・オウエンス)の父、ウェブスター将軍の計らいによるもので将軍は一方、夫人とアイリーンを本国から日本に呼び寄せていた。日本で再会したグルーバーとアイリーンは大喜びだったが、永い間の疎遠からか2人の心はしっくりしなかった。アイリーンは観劇の際知合った歌舞伎役者(リカルド・モンタルバン)に魅かれていった。その頃、同僚のケリイは日本娘カツミ(ナンシー梅木)を知り、彼女と結婚を誓うまでになっていた。米軍人と日本娘の結婚は御法度とされている折りだけに、グルーバーも初めは反対した。しかしケリイらの真剣な愛情にうたれた彼は日本娘との結婚に強硬に反対するウェブスター将軍に眉ついてまでも賛成、2人の結婚の付添人となることを承諾した。が、そのためアイリーンとの結婚はお預けにされた。ある日グルーバーは、松林歌劇の花形スター、ハナオギ(高美以子)と偶然会い、その美しさに打たれた。彼は松林歌劇の舞台へ日参した。しかし男子禁制の松林歌劇のスターであるハナオギとは仲々話合う機会もなかった。が、歌劇団の踊り子と親しいカツミの手引でグルーバーはハナオギと会うことができた。ハナオギも彼を愛していた。2人は密会を続けたが、ともに束縛される身。その頃「日本人と結婚した軍人は米国へ送還する」との司令が流れ、ケリイとカツミは心中をとげた。この事件で衝撃を受けたハナオギは、グルーバーの身を立てようと秘かに別れを告げ東京公演へと去った。だが東京にかけつけ必死に結婚を説くグルーバーの愛に、ハナオギも改めて将来を誓った。彼女のファンに米国軍人との結婚を発表した。「上司に何か?」との新聞記者の質問に、グルーバーは「サヨナラと言っていたと伝えてくれ」と答え、ハナオギを抱えて去った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第15回 ゴールデングローブ賞(1958年)

受賞

最優秀助演男優賞 レッド・バトンズ

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) マーロン・ブランド
最優秀助演女優賞 ミヨシ梅木
最優秀監督賞 ジョシュア・ローガン
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映画レビュー

3.0日本人にとってナンシー梅木のオスカー受賞は嬉しい限りだが・・・

2022年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 優秀な部下のケリー(バトンズ)が日本人女性カツミ(梅木)と結婚するという話を聞き、なぜアメリカ人が日本人と結婚するんだと口論になる。下手するとアメリカの市民権も剥奪されるかもしれないのだ。そういうロイド少佐は神戸駐在の将軍の娘アイリーンと婚約中だが、正式な求婚はまだだった。「ほんとに私を必要としてるのか」と詰め寄られる・・・

 ロイドはマツバヤシ歌劇団のハナオギ(高美衣子)に熱をあげ、相思相愛の中となった。しばらくすると日本人と結婚したケリーに本国送還命令が下るが・・・彼らは心中。そしてハナオギもロイドのもとを離れるのだった・・・

 人形劇を4人観て「心中が美しい文化」だと教えるところなんて、ぞっとするが、昭和20年代というと自殺が極端に多かった時代だ。米軍嫌いの日本人からの攻撃も受けたりして、思い悩むロイド・・・

 日本文化の紹介映画としてはそれほど間違ってはいないと思うが、ハリウッドが日本映画界に進出して映画も占領下に置いていた時代。単なる恋愛映画、国際結婚の障害などと考えれば普通なのかもしれないけど、父親が米軍に殺されたトラウマがあるのにそこまで心が変わるかどうかという不自然さも・・・・

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kossy
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