サマラング

解説

ワード・ウィングが監督し、原住民を出演せしめて作った南海映画である。原作はウィング監督の夫人で、テダ・バラの妹のロリ・バラが書き、撮影はジョン・C・クックが担当、海底撮影にはステイシー・ウッドワードが当たった。英文字幕での無声版で、サム・K・ワインランド編曲指揮の伴奏楽が附してある。

1933年製作/アメリカ
原題:Samarang

ストーリー

生物は恒に争闘の歴史の上に発展して行く。まず吾々は海底に於ける争闘を見る。磯ぎんちゃくは蟹と闘い、ヒトデは貝類をその薄気味悪い触手で包含する。そして深海の海賊のような虎鮫は、異様な眼を光らせて、巨大な蛸の隙を狙っている……。これは、南の島サマラングの若者アーマンの冒険と争闘と恋の記録である。同じ集落の美しい娘サイユウと愛し合っている彼は、その結婚に懸けられた大真珠を獲ち得べく、真珠採取者の一行に加わり、恋人サイユウや、弟コーハイを連れて出発した。サカイの島は禁断の島と呼ばれていた。そこの海底は多くの真珠が輝いていたけれど、同時に島には喰人種や、恐ろしい猛獣が牙を鳴らし、海中には虎鮫が獲物を待ち受けていたからである。アーマン達は、苦心の末、大真珠を手にする事が出来たが、一行の飲料水は欠乏を来たしていたので、アーマンとサイユウ達は、禁断の島へ上陸しなければならなかった。島にはあらゆる珍奇な猛獣がいた。獰猛な大蛇は1人の人間を見つけて躍りかかった。アーマン達は、この難をまぬがれたが、次に喰人種に発見された。海底では、30尺もあろう虎鮫は激しい争闘の末、18尺の巨蛸を倒し、次の獲物を待ち受けていた。禁断の島を危うく脱したアーマンの眼に、弟のコーハイが今の鮫の餌食になろうとする様が映った。アーマンが虎鮫に近づいた時は、既にコーハイの息は絶えていた。一同は、集落へ帰ったけれども、アーマンにとって忘れることの出来ないのは、弟の仇である虎鮫のことだった。彼はついに復讐のために出発した。丁度海面に虎鮫が姿を現した。彼は海底深く虎鮫の後を追い、ついに海の猛獣が、その醜い屍を横たえるまで激しい闘いは続いた。まもなく、アーマンとサイユウは集落の人々に祝福されながら、幸福な結婚式を挙げるのであった。

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