劇場公開日 2020年7月10日

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「偽善だとしても美しい」エレファント・マン オレさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5偽善だとしても美しい

2017年12月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

産まれつきの奇病により身体が奇形と化していた青年ジョセフメリックの一生を彼を支えた医師トリーブスら周囲の人々と共に描いたノンフィクション作品。

実話を基にした作品で、一部からは人の不幸を文芸映画風にしていると痛烈な批判を受けていたり、前作のイレイザーヘッドを観たのちに今作を観ると監督のデビッドリンチが異形のものを描きたかっただけではないのかなどの考えに行き着くかもしれないが、映画しては感動できるとても良い作品だと思う。

見世物小屋で晒し者の扱いを受けていたジョセフメリックが、外科医のフレデリックトリーブスに出会い、研究の名目で病院にて面倒を見てもらうことから始める今作。
顔面や身体の骨が異常なまでに突起し、唇は異常にめくり上がり発声もままならない姿であったが、聖書を熱心に読み込み発生の練習を独自に重ね、美しいものを見たときに感動する心を持っているなどの意外な素顔を見せていくメリックに研究対象以上の関心を持ち始めるトリーブスの関係が美しい。
メリックが世間的にも注目されていく中で、見世物小屋で働かせ賃金を稼いでいたバイツの懇願でメリックを奪還した夜警のジムに対して、トリーブスが怒りを爆発させたシーンは思わず泣いた。そしてその後ジムを殴り失神させた婦長に爆笑&さらに号泣笑。

メリックを学会で発表した功績で医師としての株と患者からの人気を得たトリーブスが結果としてメリックをバイツと同様に晒し者のようにしてしまっているのではないかという罪悪感に対して、メリックはそんなことを微塵も感じずにただひたすらにトリーブスに感謝している気持ちを表している対比でまた涙腺壊れた笑。

映像的にも題材的にももしかしたら映画化すべきものではなかったかもしれないが、とりあえずこの2人の関係性は美しい。
若かりし頃のアンソニーホプキンスの熱演もすごく良かった。

オレ