最后の接吻

劇場公開日:

解説

フランク・シナトラの独立プロ第1回作品。第二次大戦中のフランス戦線における、アメリカ軍将校と下士官の、黒人混血娘をめぐる葛藤のドラマで、監督は「カウボーイ」のデルマー・デイヴス。デイヴィッド・ブラウンの原作を「雨のランチプール」のマール・ミラーが脚色し、撮影は「ふんだりけったり」のダニエル・L・ファップ。音楽は「十戒(1957)」のエルマー・バーンスタインが担当している。フランスのコート・ダジュールにロケが行なわれた。主演は「抱擁」のシナトラに、「成功の甘き香り」のトニー・カーティス、「初恋(1958)」のナタリー・ウッド。他にレオラ・ダナ、カール・スウェンソン等が助演する。製作フランク・ロス。

1958年製作/アメリカ
原題:Kings Go Forth
配給:ユナイテッド・アーチスツ=松竹
劇場公開日:1958年7月15日

ストーリー

1944年の夏、フランス北部戦線では連合軍はパリを奪回していたが、南部戦線のアメリカ第7軍は、南アルプスの要害にたてこもる独軍に行手を阻まれていた。サム・ロギンス(フランク・シナトラ)の小隊はその最前線にいた。彼は頑丈な身体の独立独行の男だった。待ちに待った本国からの援軍が到着し、その中にブリット・ハリス(トニー・カーティス)という豊かな旧家生れの要領のいい若者がいて、サムの隊に配属された。貧乏な育ちで、風采の上がらぬサムには、彼がどうしても好きにはなれなかった。しかしブリットは、向こうみずの勇敢さを示して、サムにビールを奢る約束をさせたりもするのだった。休暇のある日、仲間と離れて、1人漁村に散歩に出かけたサムは、そこでフランス生れのアメリカ人だという娘モニク・ブレア(ナタリー・ウッド)に会った。何度も会ううちに、彼はモニクに恋した。しかし、モニクは亡き父が黒人だったことを打明け、彼を驚かせた。けれども、やはりサムには彼女を思い切ることは出来なかった。ある日、ジャズの好きなモニクをつれてカフェに入ったサムは、そこでトランペットを吹いていたブリットに会った。その時から、モニクの心はブリットに移ったのである。彼女の父のことを話してもブリットは平気だった。そして、彼はモニクと結婚するといって結婚願をサムの目の前で書いてみせた。ところが、この書類が正式に提出されていないことを知ったサムが、モニクの面前でブリットを訪問した時、彼の答えは、モニクの黒人の血に対する軽蔑の言葉だった。失神したモニクを前に、サムはブリットを殺してやると自身に誓った。ドイツ軍の攻撃は激しさを加え、米軍は誰か味方を秘かに独軍陣地に潜入させ、布陣を調査して、こちらよりの砲撃を誘導させるという作戦を立てて、サムとブリットがこれに選ばれた。2人は互いに、相手に殺気を感じながら敵陣に入っていった。作戦は成功した。しかしブリットは狙撃兵に射殺され、サムも捨て身の作戦によって片腕を失った。戦後の数か月をパリに過ごした傷心のサムは、帰国手続きのため、モニクの村を訪ねた。母を失った彼女は、孤児のための学校を開いていた。サムの心に、孤児たちの歌う“巴里の空の下セーヌは流れる”の調べが、不思議な感動を呼びおこしていった。

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