これぞ天国

解説

「目覚め」と同じくサミュエル・ゴールドウィン提供のヴィルマ・バンキー嬢主演映画である。「デパート娘大学」「ショウ・ダウン」を脚色したホープ・ロアリング女史の脚本により「感激の泉」「運命(1928)」と同じくアルフレッド・サンテル氏が監督した。バンキー嬢の相手役は「女の一生」「カナリヤ殺人事件」のジェームズ・ホール氏であるが、そのほかに「恋と山羊との話」のルシアン・リトルフィールド氏、フリッツィ・リッジウェイ嬢等も出演している。キャメラは「港の女」「海のロマンス」「目覚め」と同じくジョージ・バーンズ氏。

1929年製作/アメリカ
原題:This Is Heaven

ストーリー

エヴァ・ペトリはハンガリーからニューヨークにいる伯父のフランクを頼りに1人旅を続けて移民して来た。フランクは地下鉄道の運転手で貧しい彼は娘のマミーと来た家に住んでいたが、都を知らぬエヴァにはそれが天国のように思われるのであった。彼女はマミーの手引で、マミーの勤めているカフェーのホットケーキ焼きに雇われる。ある日2人がいつものように地下鉄で通う際、ラッシュ・アワーの混雑からエヴァの着物を汚して降りて行った運転手体の青年がいた。が、その実、この青年は百万長者のジミー・スタックプールで、自動車事故を起こして自分の帽子を紛失したから運転手の帽子を借りて地下鉄に乗込んだのである。エヴァのホットケーキは評判がよくロング・アイランドの慈善バザーに店から出張を命ぜられ出向いたところが、ここで彼女はジミーに再会した。彼女の美しさに打たれたジミーは彼女の帰りをつけて行き近付きとなる。やがて2人は日増しに仲よしとなって行ったが、エヴァは相変わらずジミーを運転手だと思い込んでいた。一方、マミーの情夫から金を借りることにしたが、これがジミーの生活にますます放縦に流れ父の家を出て行ってしまう。その後、ジミーはエヴァに結婚を申込んだ。エヴァはこの上もなくうれしかったが、現在の2人の境遇を考え今後大いに働いて金を貯蓄しなければならないと思い働くかたわら、ジミーのためにタクシー用の自動車を買ってやろうとその最初の払込みをし、次いで第2回の払込みのためになおも働くのであった。ジミーはそれをいじらしいと思いながら、何となく自分の身の上を明す気にはなれないでいた。エヴァはマミーの華美な装いにもその誘いの言葉にも耳をかさず結婚後のアパートまで探していたが、伯父のフランクは貧に窮し競馬に手を出し、そのために彼女の貯蓄していた払込金をすってしまった。エヴァは止むなくマミーに相談してマミーの誤解する因となり、2人は互いに憤り、危く破綻が来さそうになったが、それが誤解とわかってエヴァはジミーが2人のためにと新たに買入れた邸に引取られ、本当の天国に住む幸せな女となったのである。

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