コケット

解説

メアリー・ピックフォード嬢主演の最初の発声映画でオール・トーキーになるもの、作品順からいえば「デパート娘大学」に次ぐものである。ジョージ・アポット氏とアン・プレストン・ブリッジャース女史とが合作しジェッド・ハリス氏が舞台にのせた戯曲に基いて、ジョン・W・グレイ氏とアレン・マクニール氏とが脚色の筆を執り、「デパート娘大学」「テムペスト(1928)」と同じくサム・テイラー氏が監督した。台詞もテイラー氏の手になっている。対手役として「パリ醉語」「踊子フィリス」のマット・ムーア氏と「離婚結婚」「気まぐれ娘」のジョン・マック・ブラウン氏とが出演するが、そのほかに「仮面の勇士」のジョン・セント・ポリス氏、ジョージ・アーヴィング氏、等も共演している。キャメラは「ベン・ハー(1926)」「男女の戦」と同じくカール・ストラッス氏である。

1929年製作/アメリカ
原題:Coquette

ストーリー

アメリカの南部のある町。そこにノーマ・ベザントという娘がいた。近代都市の風潮はこの町にも浸潤して先て町を人をモダン化しつつあった。ノーマもこの風潮に馴染み髪をポップにしスカートを短くした。そして彼女の周りに集まる青年たちを色々とあしらっていた。彼女の父ジョンは昔堅気の厳格な医者で娘の軽佻さを心配していた。ジョンの親友で弁護士のロバート・ウェントウォースの息子スタンリーはしっかり者で、ノーマの気持もよく理解して、彼女の恋の遊戯にも同情ある観方をしていた。その中にノーマは山から来たマイケル・ジェフリーという若者と近付きになった。マイケルはノーマの周りにたかる気障な男たちとは違って素朴な一徹な男であった。ノーマは初めて真実の恋に目覚めた。しかし父親のジョンはこれを怒ってマイケルを罵った。マイケルはこれに憤起して六ケ月間山で働いて、金を得て、そして改めてノーマに結婚を申し込むこととし、それまでは互いに会わぬ約束をした。だが六ケ月は恋に燃えるマイケルには永過ぎた。ある日、ノーマの家で舞踏会があった時、彼は庭に忍び入り、スタンリーの情けによってノーマと久し振りで顔を合せた。そして二人は舞踏会を抜け出、マイケルの母の住む小屋に入って恋を囁いた。翌朝、町の噂はこの二人の醜聞を伝えた。マイケルはノーマとの結婚の許しを父親のジョンに求めた。ジョンは彼を侮辱した上、町より立去ることを求め、更に怒に燃えた彼はマイケルの跡を追ってそれを射殺してしまった。父親ジョンが公判に附せられる時、ロバートはその弁護に立ち、ノーマを説いてマイケルを悪様に証言することを求めたが、マイケルを恋していたノーマはそれを拒絶した。が、公判の日、法廷に於て父娘が相対した時、いつか父の情が胸にしみてノーマは父に有利な証言をし、自らの罪であることを述べるのであった。すると父も娘を庇った。そして事件を円く納めるため短銃を以て自らの命を絶った。公判が終えてスタンリーはノーマに胸のうちを訴えたが、ノーマは淋しく彼と別れるのであった。

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