クラック将軍

解説

「山の王者」に次ぐジョン・バリモア氏主演映画で、監督は「ドン・ファン(1926)」「マノン・レスコオ」等のバリモア映画に手腕を見せたアラン・クロスランド氏で、ジョージ・プリーディー氏の原作を最近までユニヴァーサル社の字幕執筆者だったウォルター・アンソニー氏が改作し「笑う男」「ミシガン小僧」のJ・グラブ・アレキサンダー氏が脚色した。助演者は「愛欲の絆」「赤い唇」のマリアン・ニクソン嬢、「楽園に帰る(1928)」「紅草紙」のローウェル・シャーマン氏、「キング・オブ・キングス(1927)」「絶海の暴君」のジャクリーン・ローガン嬢、「海の王者」「デパート娘大学」のホバート・ボスウォース氏、「ラスト・モーメント」のオットー・マテイーソン氏、「サラアと其の子」のフィリップ・デラシー君、新進のアルミーダ嬢、等の堂々たる顔觸れである。キャメラは「彼女は戦に行く」「激流恋をのせて」のトニー・ゴーディオ氏が担当している。

1930年製作/アメリカ
原題:General Crack

ストーリー

西暦1800年代、武士道華やかなりし頃猛将カーランド大公を父とし情熱のジプシーの乙女を母として生れたクリスティアン・ルードルフ・アウグスツス・クリストファー・ケトラーは剛勇無双の名剣客名将軍と謳われ、全欧の人々は彼をクラック将軍と呼んだのである。父祖代々の所領カーランドを露西亜に奪われたクラック将軍は全欧の天地に雄飛する志を抱いて臥龍の夢を結んでいる時、墺太利皇帝レオポルト2世は使を遣して彼に助勢を求めた。クラック将軍は代償として帝室の財賓の半ばと皇妹マリア・ルイザとを要求し、その承諾を得るや直ちにウィーンに向った。途中ジプシーの一集落を過ぎ情熱の踊子フィデリアを見た彼のジプシーの血は躍った。かくてジプシーの儀式に従ってフィデリアと結婚し彼女を伴ってレオポルト2世の宮殿に驅せ向った。だが皇妹マリア・ルイザの美貌は更に強くクラック将軍の心をとらえ、フィデリアとの結婚を悔いたが時すでに遅い。彼は戦いに赴き連戦連勝の武勲を樹てて凱旋した。しかしクラック将軍の妻フィデリアは盲目的な情熱の子であった。クラック将軍は不義のフィデリアを去ってジプシー集落へ追放したのである。恋に敗れた凱旋将軍は故山に余生を寂しく送るべく決心し、腹心の部下を従えてカーランドの地に帰った。ところがカーランドの平和は思いがけない軍勢の襲撃によって忽ち破られた。その軍勢はマリア・ルイザに率いられた墺太利軍であった。マリア・ルイザは雄々しくも陣頭に立ってカーランド城に入り、クラック将軍に降伏を勧めた。微笑を浮べて剣を下したクラック将軍はしづかにマリア・ルイザの手をとってカーランド大公並びに大公妃の御座についたのである。

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