愚者

解説

チャニング・ボロック氏作の有名な舞台劇からエドモンド・グールディング氏が脚色し「オーバー・ザ・ヒル」「冬来たりなば」等と同じくハリー・ミラード氏が監督した特作品で主役は「沈黙の命令」主演のエドモンド・ロウ氏が演じ、新進のアン・デール嬢、ブレンダ・ボンド嬢、レイモンド・ブルーマー氏、A・J・ハーバード氏及びメアリー・サーマン嬢が競演しその他の助演者にも有名な人々がいる。

1925年製作/アメリカ
原題:The Fool

ストーリー

ニューヨークの立派な協会の副牧師ダニエル・ジルクライストはキリストに帰らねばならぬという信仰を抱き私有財産を貧民達に与えお座なりの説教をしなかった。人々は彼を「愚者」と呼んだ。彼はクリスマスの説教に資本主義を痛罵したために職を奪われ教会を追放された許婚クレーアからも見放された。クレーアは百万長者グッドカインドの息子ジェリーと結婚した。ジルクライストは小さい住宅を教会とし「オーヴァーコート・ホール」と命名して貧しい人々を慰めていた。グッドカインドは彼を己の鉱山のストライキを鎮撫させに遣った。ところがジェリーが飲んだくれヘニングの女房パールをニューヨークに拐したのでヘニングはジルクライストの仕業と誤解しニューヨークへやって来る。己を何にも理解されないのに悩んでいたジルクライストは家政婦の娘、障害者のメアリー・マーガレットなる唯一人の信者を見いだした。ニューヨークへ復讐にやってきたヘニングはジルクライストを襲い殺そうとした折、歩けないはずのメアリーが駆け寄って庇った。この奇蹟は暴漢を恐れしめた。その後ジェリーは妻クレーアを誘惑したといってジルクライスト陥れようとして失敗した。ジルクライストは病癒えたメアリーと並んでマンハッタンの灯を見つめていた。それはクリスマスの夜のことであった。

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