黒い牙

劇場公開日:

解説

アフリカ原始林に野蠻なマウマウ族と闘いつつ大地を開く不屈の開拓者の物語。ロバート・C・ルアークの同名小説を「最後の銃撃」のリチャード・ブルックスが脚色、監督した。撮影も同じくラッセル・ハーラン。音楽は「悪人への貢物」のミクロス・ローザ。主演は「大空の凱歌」のロック・ハドソン、「あの日あのとき」のダナ・ウィンター。ほかに「誘拐」のファノ・ヘルナンデス、「暴力教室」のシドニイ・ポアティエ、英国の新星ウェンディ・ヒラーなど。

1957年製作/アメリカ
原題:Something of Value
配給:MGM
劇場公開日:1957年5月8日

ストーリー

東アフリカ・ケニヤの奥に開拓者ヘンリイ・マッケンジー一家が移住してきた。ヘンリイは常に黒人に対し暖かい心をもって接していた。息子のピーター(ロック・ハドソン)とともにキクユ族の少年キマニ(シドニイ・ポアティエ)をも一家の者として兄弟のように育ててきた。だが2人は成長するにつれ人種的な違いから溝を生じ、それはひろがっていくばかりであった。そしてピーターの姉の夫ジェフも黒人には強い偏見を持っていた。ある日、キマニが絶えず重労働をしていると愚痴を洩らすと、ジェフは、いきなり殴りつけた。その時からキマニは森の中へと去った。追いかけて必死に帰宅を勧めるピーターの言葉も聞かない。彼は、殴られた恨みを晴らそうとジェフを待ち伏せ、傷を与えて山奥深く入った。山奥でキマニはマウマウ族の暴力団の一味となった。一方、ピーターの幼なじみホリイ(ダナ・ウィンター)が英国での学校生活を終えて帰って来た。ピーターは彼女と結婚した。その頃マウマウ族の暴虐が激しくなり、ピーターは任命されて保安官となった。が、ジェフは襲い来たマウマウ族に殺され、彼の妻エリザベスも傷ついた。平和を望むピーターも遂に復讐の鬼と化した。しかし、そのような夫をホリイは悲しみ、彼と別れる決心をした。そのためピーターも何とかして平和交渉を進めようと、ある日キマニらのマウマウ族と会い、漸く一団の解散を誓わせた。ところが、味方のジョーが約束を破りキマニを不意打ちし彼の妻を殺してしまった。キマニは自分の赤ん坊を抱え辛うじて逃げた。ピーターは再びキマニを探したが、もはや説得は不可能。2人は物凄い死闘を始めた。ピーターはキマニを殺した。がそばにキマニの赤ん坊を見つけた彼は、抱き上げてナイロビへ戻った。ナイロビではエリザベスがホリイに見守られ死んだジェフの子を産むところだった。ピーターは、エリザベスの子と一緒にキマニの子を育てようというのであった。

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