君若き頃

解説

「ローズ・マリイ(1936)」「浮かれ姫君」と同じくジャネット・マクドナルドとネルソン・エディが主演する音楽映画で、リダ・ジョンソン・ヤング作、シグモンド・ロンバーグ作曲の音楽喜劇をノエル・ラングレーが脚色し、「巨星ジーグフェルド」「逢瀬いま一度」のロバート・Z・レナードが監督し、「桑港」「巨星ジーグフェルド」のオリヴァー・T・マーシュが撮影した。助演俳優は「ロミオとジュリエット」のジョン・バリモアを始め、「ローズ・マリイ(1936)」のハーマン・ビング、「紅雀」のトム・ブラウン、新顔のリン・カーヴァ、「港に異常なし」のラファエラ・オッティアノその他である。

1937年製作/132分/アメリカ
原題:Maytime

ストーリー

ニュー・イングランドのある町で静かな余生を送っている老婦人マーシャ・モリスンは、五月祭りの喜びに若人の声さんざめく公園に足を運ぶと、知合の青年キップがこの歓楽をよそに浮かぬ面持ちに沈んでいるのを見て、優しく近づいてその訳を問うた。許婚のバーバラがオペラ歌手を志し、彼を離れて遠くのニューヨークへ去るというのである。マーシャは彼を慰めて帰ったが、しばらくするとキップと言い争ったバーバラは老婦人を訪れて、字部はかつてのかの有名な歌手マーシャ・モルネイのように立派な歌手に成りたいのだと訴えるのであった。老婦人はバーバラに向かい、そのマーシャ・モルネイこそ今日の自分であると往時を回想しつつ次のような身上話を語った。ルイ・ナポレオンの宮廷に召された美しいプリマ・ドンナ、マーシャは彼女の音楽教師兼マネージャーのナザロフに伴われ、綺羅星の如く居並ぶ顕官や花のような淑女を前にして唄った。当時作曲家として名声高きトレンチニは彼女の唄に感服しナザロフが特に彼女のために作曲を依頼した時も快く承知した程であった。その夜ナザロフはマーシャに結婚を求めた。彼を愛してはいなかったが今までの深い恩義があった。承諾はしたものの眠れぬままにマーシャは馬車を駆って市中を走り、いつか睡魔に襲われて目覚めればパリの学生街に来ているのだった。闇を破って流れる学生たちの歌声に惹かれてある料理店に入ると、彼女はそこで歌の巧い米国の青年ポールに逢った。求められるまま彼女は次の日の再会を約した。ナザロフへの気兼ねはあったが、約束通り二人は逢った。そして翌日二人は郊外で楽しい一日を過ごし、互いに強い恋心を覚えたがナザロフとの結婚を告げて二人は涙をのんで別れた。ポールは帰国し、ナザロフと結婚したマーシャはいよいよ名声を加えて七年の歳月が流れた。ニューヨーク公演のために夫と一緒に渡米したマーシャは、意外にも相手役に選ばれたのがポールであることを知って驚いた。二人の恋は再び燃え、マーシャはすべてを夫に告白して自由を乞うた。ナザロフは快くそれを承知したが、心ではポールを射殺する決心をしているのだった。彼女が跡を追った時は既に遅くポールは地上に倒れていた。老婦人の話はここで終わった。夢から覚めたようにバーバラはキップの腕に帰り、老いたるマーシャの魂は花吹雪の中で静かに昇天した。

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