君よさらば

解説

マック・セネット氏が「モリー・オー」以来久方振りで自ら監督制作した長編喜劇で、セネット氏が新たに発見した3人の新映画俳優ジョニー・バーク氏、サリー・アイラース嬢及びマティー・ケンプ氏が主演したもの。原作はジェファーソン・モフィット氏、フィル・ホワイトマン氏及びカール・ハーボー氏が共同執筆した。助演者はアルマ・ベネット嬢、ウィーラー・オークマン氏、ライオネル・ベルモア氏、カーメリタ・ジェラティ嬢等である。

1928年製作/アメリカ
原題:The Good-Bye Kiss

ストーリー

ロング・アイランドの小さい村にサリーという乙女があった。彼女と仲良しのビルはアメリカが参戦することになったので最初の志願兵としてフランスに向かう事になった。彼らは2人が恋しあっていることをまだ意識してはいなかった。2人は一緒に写真を撮った。2人の友達のジョニーも村の浮気娘トゥーツと婚約しお別れに写真を撮ったが、マグネシュームの閃光に驚いた馬が狂奔し始めた、ジョニーは馬を止め得ず馬車は無茶区茶に走った。それをビルが追い駈けて止めてやった。いよいよ出帆の時刻が来た。ビルとサリーとは別れる間際になってお互いに恋しあっていることを自覚して最初の、そしてお別れの接吻を交わした。サリーはしかし別れるに忍びず将軍の自動車が船に積み込まれるのを知って中に潜んで船に乗り込んだ。そして彼女の無邪気さのお陰で救世軍女士官として戦地へ行くことになった。ジョニーはトゥーツから婚約の指輪を突っ返され悲観して鴎を潜航艇のペリスコープと間違えて大騒ぎを起こさせて叱責された。しかし戦地ではジョニーの方が勇者だった。ビルは砲弾の音や死傷者の有り様を見て怖じ気つき卑怯者になってしまった。そしてカフェエでシャンパンを暴飲して煩悶した。敵軍の空中襲撃が行われた時ビルは逃げ場を探し求めた。その様を覗いたサリーは彼を街路の中央に引摺り出して一生懸命に勇気を出せと口説いた。恋人に鞭撻されて発憤した彼は前線に行くために1台の自動車の中に隠れた。それは敵の間諜の車で図らずも敵の戦略をを聞いたビルは敵の塹壕内において間諜と格闘を演じ、味方の塹壕が爆破され全滅させられるのを未然に防いで勲功をたてた。サリーは感激してビルと抱擁した。

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