君故に

解説

ずっと以前の「ゾンガー」や最近の「永遠の世界」等に出席したドロレス・キャッシネリ嬢主演のパテ映画である。ジェーン・マーフィン女史の原作で、エドウィン・ケーリュウ氏がアルバート・カベラニ氏の許で監督製作したものである。

1919年製作/アメリカ
原題:The Right to Lie

ストーリー

カーロッタは父に連れられてイタリーから米国へ来たが、父は以前伊国で妻を貰った事のあるのを今の妻にかくす必要上、カーロッタとの親子の間柄を秘していた。其為に彼女はかつて父の腕に抱かれて撮した写真を種に或る悪い男に苦しめられ継母の疑惑を勝ったりしたが、其後彼女は美術愛好家カーティス・オースティンと結婚して後も、其男に苦しめられた。彼女が男の脅迫の材料たる父との写真を取り返そうとして遂彼に近づくのを見て、夫は妻の貞操を疑い、嫉妬の余り其男を殺してしまった。其裁判の証人席に於いて彼女は夫の殺人罪を救うべく、身に覚えのなき汚名を甘んじて我と我身に被せたのであった。彼女の大なる犠牲を思えば彼女の法廷における虚言も美しい心を持つ妻としての戦利と言わねばならない。

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