北回帰線

劇場公開日:

解説

ヘンリー・ミラーが、洋服屋、秘書、救世軍の伝道師、ウェスタン・ユニオンの電報配達夫などのアメリカでの下積み生活を送ったあげく、パリへ行き、その経験をもとに書いた「北回帰線」の映画化。製作・監督は「ユリシーズ」のジョセフ・ストリック、脚本はジョセフ・ストリックとベティー・ボトレイの共同、撮影はアラン・デ・ローブ、音楽はスタンリー・マイヤーズ、編集はシドニー・メイヤーズとシルビア・サーナーがそれぞれ担当。出演は「シンシナテイ・キッド」のリップ・トーン、ジェイムス・カラハン、エレン・バースティン、デイヴィッド・バウアー、ロランス・リニエールなど。

1971年製作/アメリカ
原題:Tropic of Cancer
配給:CIC
劇場公開日:1971年11月12日

ストーリー

パリ、舗道のカフェ・テラスで、アメリカ人のグループ、フィルモア(ジェイムス・カラハン)、カール(デイヴィッド・バウアー)、バン・ノーデン(フィル・ブラウン)とどフランス娘のジネット(ロランス・リニエール)の4人が談笑していた。そこへ慌てて入ってきたヘンリー・ミラー(リップ・トーン)は、早速彼等に金の無心をはじめた。アメリカから妻のモナ(エレン・バースティン)がやってくるために、どうしても金が必要だったのだ。仕方なくカールが5フラン貸してやった。駅の雑踏の中、ヘンリーとモナは固く抱き合った。しかしせっかく探しあてた安ホテルの不潔さに悲鳴をあげたモナは、さっさと出ていってしまい、ヘンリーはうつろな気持で街を歩いた。だが滅入る気持も、生来の楽天的な性格が消し去り、パリの友達連中をたかりはじめた。最初は面倒をみてくれた友達も、やがて慈善事業に飽きてしまい、最後には、友達の女房との浮気もバレて、元の貧乏暮らしに戻ってしまった。仕方なく学校の教師になったが、それも束の間、彼はパリのインド人旅行者のガイドに転職した。しかしヘラルド・トリビューンの友人ペックオーバーがエレベーターから墜落死して、その後釜に坐ることになり、パーティーを催した。乱痴気騒ぎのあと外へ出たヘンリーは、ナイトクラブで女を買ったが、これまたひどい女であった。ヘンリーは友人カールのラブレター代筆を引き受け、うまく成功し、カールは喜び勇んで彼女の待つホテルへ飛んでいった。パーティーの際、盛んに色目を使っていたジネットとフィルモアはその後正式に婚約し、フィルモアは結婚したら八百屋をやるつもりだと言っていたが、数か月後、彼はすっかりジネットの尻にしかれて、でるのはグチばかりのありさまだった。フィルモアを強引にロンドンに旅立たせたヘンリーは、ふとニューヨークの街並に思いをはせた。が、彼は知っていた。自分がフランスを愛し、そこにとどまることを。

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