劇場公開日 1946年2月28日

キューリー夫人のレビュー・感想・評価

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4.0偉人、凡人

2021年4月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

ネット配信で鑑賞。
日頃、私は偉人伝は苦手と言ってますが、本作は科学者の本質が描かれていて非常に興味深く面白く観ることが出来ました。
しかし、鑑賞しながら色々なことが、頭を駆け巡り今回は、物語から脱線した感想になりますがご容赦ください。

働き蟻の法則とかサシミの法則とか、人間社会のあらゆる集合体の割合の法則として、よく働く人3割:普通に働く人4割:働かない人3割などと言われ(働き蟻の法則の比率は2:6:2)“人間は万物の霊長”などといっても所詮はそれらの法則に従って生きているだけという説があります。
更に、本作の様な作品を観て天才的な人物を知ると、人類の発展は歴史上の1割にも満たない天才達が築きあげてきたもので、後の9割以上の人間は、ただその業績に乗っかってきただけの様にも思えてきます。
こういう人達が残した発明・発見とは、天才的な閃きと、それを立証・検証する為の超地道で過酷な作業と、それを実行する努力で成り立ち、それを行える人であるからこそ真理が見つかるのであって、こういう人達を知ると、今の軽々しく真理や真実を商売として説く様々な職業や職務(政治家・教育者・ジャーナリズム等々)があるが、そういうの全てひっくるめて、まるでペテン師かインチキ集団にしか見えなくなってしまいます。事程左様に、この人達の凡人離れした才能と業績と行動力に脅かされます。

だからこそ、ある天才の偉人伝などを読んでも凡人が真似ることは不可能だし、参考にすることなども何一つなく、結局、大半の人間はその恩恵を授かるだけの存在でしかないとしか思えません。しかし逆にこういう人達の発明・発見を利用し、生かすも殺すのも9割以上の凡人達であるという怖さも感じてしまいます。
勿論、かくいう私もその内の一人に過ぎないし、天才や発明者が何を望んでいたのかも分かりませんが、スマホの様な現代科学の集合体の様な製品でも、良し悪しは別として9割以上の凡人達はゲームやSNSや通販などの利用法しか出来ないという現実。
まあこれが結局、普通の人間って気もしますが、偉人たちは自分たちの残したモノで、我々凡人たちに一体どのようになって貰いたかったのでしょう?それとも、偉人たちも其処までは頭が回らなかったのでしょうか(苦笑)

とりあえず、キューリー夫人の大学の講演での言葉を紹介します。

  科学は暗闇の中のろうそくです。
  私たちの前を少しずつ明るく照らす
  だからこそ私は信じています
  科学のすばらしい力で
  世界から悪しきものを消し去ることもできます
  無知・貧困・病気・戦争・悲しみも
  皆さんも真理を求めて下さい
  未知なる道を探してください
  これから先 人類がはるかに賢くなっても
  科学の神秘は尽きることがありません
  どんな時代にも新しい発見があります
  だから古い観念に捕らわれず
  新しい知識の扉を開けて下さい
  そして輝かしい未来を築くのです

残念なことに、今の社会も無知・貧困・病気・戦争・悲しみに溢れています。
凡人に対する買いかぶりなのか、もっと遠い未来には無くなるのか、私には分かりませんが…

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