浮世はなれて

劇場公開日:

解説

イギリスの文豪アーノルド・ベネット作の小説を映画化したもので、「王国の鍵」 と同じくナナリー・ジョンソン脚色、ジョン・M・スタール監督になる映画である。主演は「3人の仲間」「ポルカの歌姫」のモンティ・ウーリーと「黄金の夢」に出演した英国の喜劇女優グレイシー・フィールズで、「謎の下宿人」の故レアード・クレガー、「心の旅路」のユーナ・オコナー、「荒野の決闘」のアラン・モーブレイ、「新妻はお医者さま」のメルヴィル・クーパー、「焔の女」のフランクリン・パングボーンらで、撮影は「謎の下宿人」のルシエン・バラードが指揮した。なお製作は脚色者のナナリー・ジョンソンである。

1943年製作/アメリカ
原題:Holy Matrimony
劇場公開日:1947年12月

ストーリー

現存のイギリス最高の画家ブライアム・ファールは、生来のはにかみ屋で、交際嫌 いなのと芸術製作上の好みから故国を遠く離れて、熱帯の島に25年間世捨て人のような生活をしていた。身の回りの世話は、ヘンリー・リークという召使が忠実にしてくれた。リークには故郷に妻と三人の息子があったが、彼はこのことを主人には内緒にしていた。ファールの画はリークがクライヴ・オクスフォードというロンドンの画商に送っていたが、ある時画商からの手紙でファールが子爵に列せられることになったから帰国してバッキンガム宮へ出頭するようにと伝えてきた。ファールはリークと共にいやいや帰国すると、ホテルに着くと共にリークが急死したので、死んだのをファールだということにしてしまった。そこで芸術家ファールとしてリークはウェストンスター寺院に葬られた。葬式の折リークになっているファールは、アリス・チャリスという小母さんと知合って、大いに意気投合し、ヘンリー・リークとしてアリスと結婚する。そしてプトニーにあるアリスの家に新居をいとなみ、幸福な一年を過ごした。ところがリーク夫人が訪ねてきたので、アリスは二重結婚でリークを訴えても、人のうわさになるばかりで訴訟費用が高いから損だ、しばらく黙っていれば円満に解決するからと言って追い返す。ところがアリスはリーク夫人にやるお金がない。ファールは屋根裏部屋に隠してある作品を売ろうという。額縁屋は安く買ってファールの作品をお得意の画商オクスフォードに転売する。それが更に収集家のヴェール夫人に高価に売られた。ところが夫人は「遺作」の中にファール生存中には存在しなかったバスの絵を見つけ、贋作だと言い出し、ついに告訴する。このためファールも裁判所に出頭し、本当のことを告白する。ところが頭の少し変なリーク夫人は、15年前に別れた夫の顔を覚えていないのでファールを夫のリークだと証言する。しかしファールの従弟ダンカン・ファールが証人として現われ、従兄ブライアムなら左の鎖骨のところに二つ黒アザがあるという。調べると正に黒アザが二つあった。そこでヴェール夫人は敗訴したが本物のファールの絵に満足し、アリスはファール夫人となった。そしてファール夫妻は熱帯の島にスイート・ホームをつくったのである。

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