或る女(1937)

解説

「札つき女」「化石の森」のベティ・デイヴィスと「暗黒街の弾痕」「高圧線」のヘンリー・フォンダが主演。「晩春」「台風」と同じくエドモンド・グールディングが原作・脚色・監督。撮影は「青春の抗議」「Gガン」のアーネスト・ホーラー。助演者は「沙漠の朝」のイアン・ハンター、「緑の灯」のアニタ・ルイズを始め、「進め騎兵隊」のドナルド・クリスプ、「お人好しの仙女」のヒュー・オコネル、「生活への道」のキャサリン・アレクサンダー、メアリー・フィリップス等。

1937年製作/アメリカ
原題:That Certain Woman

ストーリー

メアリー・ドンネル(ベティ・デイヴィス)には、人に知られたくない過去があった。まだ年端もいかない頃に信じて結婚した夫は、恐ろしいギャングだった。そして夫は仲間との争いから射殺されて4年。今ではメアリーは弁護士ロイド・ロジャース(イアン・ハンター)の事務所で秘書として働いている。新聞に「ギャングと元の情婦」という記事を書いている新聞記者ヴァージル(ヒュー・オコネル)は、彼女の身元を調査して事務所へ記事を取りに来る。メアリーがロジャースに過去を知られることを恐れているのに付け入って、ヴァージルは彼女を脅迫して1000ドルを報酬にその名を借りようとしたが、ロジャースは彼女に暗い影のあることを知っていたので、優しくメアリーをかばう。その頃メアリーはジャック・メリック(ヘンリー・フォンダ)という青年と恋に落ちていたが、彼の父親メリック卿(ドナルド・クリスプ)はそれに同意しない。しかし欧州旅行から帰ってきたジャックは、父に隠してメアリーと結婚する。その時もロジャースは、優しくふたりの幸福を願って力添えをしたのだった。しかし新婚旅行の途中でメリック卿はふたりを無理に引き離し、ジャックを欧州へ追いやる。メアリーは友達のエイミー(メアリー・フィリップス)と一緒に暮らし、やはりロジャースの暖かい大きな愛情に庇護される。半ば自棄になったジャックは、救いを求めるように欧州で知った優しいフリップ(アニタ・ルイズ)と結婚する。そして結婚式の当日、新夫婦は自動車事故で重傷を負い、フリップは障害者となった。一方その頃メアリーは妊娠しており、月満ちてジャックの子を産む。冷たい夫婦愛に悩んでいるロジャースは、口には出さないでいたが実は深くメアリーを愛していた。彼女もいつしかロジャースの大きな愛に惹きつけられるようになっていた。だが、彼が重い病になっても、逢うことすらできない二人だった。そしてロジャースは病の床を抜け出し、メアリーのアパートへ来る。愛するメアリーに手を取られて、彼はそのまま息を引き取った。時が経ち、メアリーの子供は成長した。それにつけても彼女はジャックの思い出を断ちがたかった。障害者になったフリップはある時メアリーを訪れてジャックと一緒になってくれと語ったが、この優しい言葉にかえってメアリーは身を退かねばならぬと決心して、辛い思いで子供をジャック夫婦に渡し、一人欧州へ旅立つ。数年後、モンテカルロでメアリーはフリップが病死したことを聞く。海を越えた長距離電話で、ジャックはすぐそこへ行くとメアリーに電話をかけた。

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