アメリカの恐怖

解説

「最後の駐屯兵」「盲目の飛行士」のケーリー・グラントと「ミシシッピ」「今宵は二人で」のジョーン・ベネットが主演する映画で、ジェームズ・エドワード・グラント作の短編二編を素材としてラウール・ウォルシュとバート・ハンロンが共同脚色し「夜毎八時に」「男の魂(1935)」のラウール・ウォルシュが監督に当たり、ジョージ・クレメンスが撮影した。助演者は「夫の日記」のウォルター・ピジョン、「片道切符」のロイド・ノーラン、「航空十三時間」のアラン・バクスター、「悪夢」のイザベル・ジュウェル、「ロイドの牛乳屋」のマジョーリー・ゲイトスン、ダグラス・フォーリー、ヘンリー・クラインバッハ等の面々である。

1936年製作/アメリカ
原題:Big Brown Eyes

ストーリー

マニキュア・ガールのイーヴは探偵のダン・バアと恋仲であった。コール婦人という有閑婦人の二十万ドルの宝石が盗難に遭った時、ダンはその調査を命ぜられ婦人の部屋を訪問した。そこへイーヴが爪磨きに来てダンと夫人の様子を誤解し喧嘩になってイーヴは店を首にされたので、丁度勧められるままに新聞社の女記者になった。コール夫人の宝石は三度目の盗難で、前の二回はモーリィという秘密探偵の努力で取り戻されたが、犯人は検挙されなかった。モーリィは盗まれた宝石を取り戻しては盗難保険会社から礼金を貰うのが商売であるが、実はギャングの頭目で配下を使って宝石を盗ませている男だった。今度はパタースンという男が盗み出し、それをモーリィの配下コーティッグが買収に出向いたが、パタースンの要求七万ドルに対し、コーティッグは四万ドルしか支払えぬと言い、口論になったあげく、殴り倒されたコーティッグはピストルを取り出し逃げる二人に後ろから発砲した。ところがその弾が外れて通りかかった乳母車の中にいた赤ん坊を殺した。イーヴは婦人記者としてダンと協力して犯人の発見に尽力していた。彼女の努力で赤ん坊殺しの現場を通行した一女給の口から、犯人の乗った自動車の運転手がベニィという前科者であることを突き止めた。ダンは早速ベニィを捕えたが一味に脅かされた女給は、それを否定したので、イーヴは逆手を用いてベニィを脅迫し遂に犯人コーティッグの名を突き止めた。然し彼を捕縛していざ公判の時になると、悪弁護士の活躍で無罪の判決が下されたので、ダンは憤慨して辞表を提出し、単身コーティッグを捕えようとした。イーヴはこの事件で編集部長と衝突し再び元の理髪店に帰って働いていた。狡猾なモーリィはパタースンに会ってコーティッグがいなければ七万ドルで宝石を買うというので、パタースンは彼のアパートを訪れて射殺した。ところがそこへダンが忍び込んでいたので、かれは宝石の売買が済むまで監禁された。モーリィはイーヴを使って宝石を受け取った上、パタースンを警察に密告したが、そこへ駆けつけたダンの活躍によって、遂にパタースンとモーリィは捕縛され、イーヴとダンは楽しい新婚生活に入ることになった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0ハワード・ホークス監督の犯罪・ラブロマンス・コメディ映画

2022年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ラウォール・ウォルシュ監督による「犯罪映画」であり「ラブロマンス映画」であり「コメディ映画」で、観終わって楽しくてスッキリした気持ちにさせてくれる佳作!
しかし、こんな色んな要素を盛り込んだ娯楽作が生まれたのは奇跡的であり、主演のケーリー・グラント&ジョーン・ベネットの2人の恋のかけひきも見事な犯罪・ラブロマンス・コメディ映画であった。……変なカテゴライズ(笑)

整髪店でネイル担当女性(ジョーン・ベネット)とイケメン刑事(ケーリー・グラント)は惹かれあっている若い男女だが、イケメン刑事が有閑マダムとお茶している所を見た彼女がヤキモチを焼いたり、二人が一緒に犯罪者を探したり…と見事な連携(笑)

いろんなエピソードの連続なので、物語詳細は記載しないが、観ていて微笑ましくなる。
これ以上は、敢えて言う必要ないと思われるが、「心にやさしい映画を観たい方にはオススメの一作」と言えよう。

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たいちぃ
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