劇場公開日 2013年7月27日

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ペーパーボーイ 真夏の引力 : 特集

2013年7月16日更新

あのハリウッドスターがここまでやるのか!?
見る者誰もが“衝撃”を受ける《極上ミステリー》

本年度カンヌ国際映画際で初上映され、世界の映画人を驚かせた衝撃のミステリー「ペーパーボーイ 真夏の引力」が、7月27日についに日本公開。「プレシャス」の監督のもとに集結したニコール・キッドマンほか実力派キャストたちが見せつける衝撃の演技とは!?

ザック・エフロン、二コール・キッドマンら豪華スターが驚がくの演技を披露する!
ザック・エフロン、二コール・キッドマンら豪華スターが驚がくの演技を披露する!

■オスカー作品「プレシャス」監督だからこその“豪華共演”──
 ハリウッドスターたちが《衝撃の演技合戦》に挑んだ話題の1本!

マコノヒー(左)とエフロン(右)が兄弟役
マコノヒー(左)とエフロン(右)が兄弟役

2012年、第65回カンヌ国際映画際コンペティション部門で初めて披露された1本の映画が、世界中のジャーナリストを衝撃に包んだ。

それは、リー・ダニエルズ監督の「ペーパーボーイ 真夏の引力」。

悲惨な家庭環境のもとで虐待を受けて育った黒人の少女が、希望へと踏み出す道のりを描いた前作「プレシャス」で、アカデミー賞2部門(助演女優賞、脚色賞)を受賞した気鋭監督の待望の新作。ザック・エフロン、ニコール・キッドマン、マシュー・マコノヒー、ジョン・キューザックというハリウッドが誇る人気と実力を兼ね備えたスターたちが顔を揃えた同作に、誰もが前作のような、社会派ながらも“希望”を垣間見せる作風を期待したに違いない。だが、実際は違った。

実力派スターが名監督のもとに集結!
実力派スターが名監督のもとに集結!

「ペーパーボーイ」が映し出したのは、69年のフロリダのうだるような夏を背景に、愛に飢えた孤独な青年が人間の情念の奥に飲み込まれていく姿を描いたミステリー。青年と新聞記者の兄、服役中の殺人犯、彼をえん罪だと信じる婚約者──ある殺人事件の真実をめぐって、運命のいたずらに翻弄される女と男たちの“業”を浮き彫りにする恐るべき問題作だったのだ。そして、エフロン、キッドマン、マコノヒー、キューザックらが晒したのは、タブーに挑んだ衝撃の演技。才能あふれるダニエルズ監督作だからこそ実現したこの顔ぶれの演技合戦に、あなたも「あのハリウッドスターがここまでやるのか!?」と驚くのは間違いない。


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異様な夏を経験する純粋な青年役
異様な夏を経験する純粋な青年役

ザック・エフロンといえば、「セブンティーン・アゲイン」「ハイスクール・ミュージカル」でアイドル的魅力を誇った青春スターというイメージだろう。本作でも“大学で水泳部に所属していた青年”とその外見イメージは踏襲されているが、問題を起こして大学を中退し、今は実家で悶々とくすぶっているという役回りだ。

そんな彼が、キッドマン演じるアラフォー女に一目惚れし、恋に準じようとするがあまり、セックスと暴力にまみれた異常な世界へと歩を進めていくのである。大人の汚れた世界で目一杯背伸びしながら、ブリーフ姿での熱演もいとわないエフロンの肉体も衝撃的だ。


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理知的なイメージをかなぐり捨てての熱演
理知的なイメージをかなぐり捨てての熱演

「めぐりあう時間たち」でのアカデミー賞受賞歴を持つニコール・キッドマンは、エフロン演じるジャックに思いを寄せられるシャーロット役。美しくも、強い意志と知性を感じさせるたたずまいで映画ファンを魅了してきたキッドマンだが、本作ではこれまでのイメージをかなぐり捨て、濃いメイクと体に張り付くミニドレスを身に付け、死刑囚と婚約中の謎をはらませた美しい女を演じている。

妖艶な色香を身にまとい、ジャックだけではなく見る者までをも挑発するようなキッドマンが、面会室で披露する演技はまさに“衝撃”。鮮烈なセックスシーンで圧倒し、ゴールデングローブ賞にノミネートされたのも納得だ。


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抱える闇が明らかになるシーンが衝撃的
抱える闇が明らかになるシーンが衝撃的

ジャックの兄で、ある殺人事件の真相を追うために、地元に戻ってきたのが新聞記者のウォード。演じるマシュー・マコノヒーは、「リンカーン弁護士」「評決のとき」の実力派。精悍で頭の回転が早く機知に富んでいて──と、これまでの役柄をイメージさせるキャラクターとして登場するが、彼が抱える心の闇、禁断の業についても、徐々にメスが入れられていく。

ウォードの顔に残る傷跡はなにを意味するのか? 弟ジャックに打ち明けようとした話は何なのか? 数々の謎が、ショッキングなシーンで明らかになる。


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おぞましさを体現する怪演は必見!
おぞましさを体現する怪演は必見!

“これまでのイメージを覆す”という意味では、キッドマンのシャーロット役のさらに上を行くのがジョン・キューザック。「セイ・エニシング」「ハイ・フィデリティ」という映画好きがうなるラブストーリーから、「2012」などハリウッド超大作やコメディまで、キューザックが演じるキャラクターは必ずと言っていいほど“いい人”。その彼が、えん罪の疑惑が残るにしろ、狂気と獣のような欲望に満ちた強烈な“悪”=死刑囚ヒラリーに扮しているのだ。

なかでも、シャーロットと初めて対面する面会室シーンで、キッドマンと見せる演技合戦はあ然としてしまうほど。さらにその後の振る舞いが、得体の知れない嫌悪感を作品に充満させる。



■全米が熱狂した禁断の傑作ミステリー、待望の映画化──
 アメリカでの評価が物語る“至高の原作力”!

保安官殺人をめぐる極上のミステリー
保安官殺人をめぐる極上のミステリー

オスカー作品のメガホンをとったリー・ダニエルズ監督のもとに、同じくオスカー受賞経験を持つニコール・キッドマンほか実力派俳優たちが集結したことは、もちろん「ペーパーボーイ 真夏の引力」の作品力を支える大きな要素。だが同作は、もうひとつの大きな力である“原作力”も兼ね備えた作品だ。

95年に本国アメリカで発表されるや、一躍ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・リストに掲載されたピート・デクスターの小説「ペーパーボーイ」は、すぐさまペン・センターの文学賞に輝き、「不気味で美しい小説だ。登場人物たちが抱える“秘密”が次第に明らかになっていくゾクゾク感は、読み終えた後も消えない」(ニューヨーク・タイムズ)との高い評価を受けた。

人種差別の保守的な気風が強く残る60年代の南部フロリダを舞台にする同作は、まだ純粋な眼差しを持つジャックを通して、ある死刑囚の保安官殺しの真相をめぐるミステリーと人間模様が描かれる。デクスターはこれを自身の手で脚本化し、ダニエルズ監督に披露。「ピートの脚本を読んですごく気に入ったんだ! これは新しいタイプの“大人の物語”。現代社会の暗い部分に存在するキャラクターたちを映像化するというアイデアも気に入った」と監督が絶賛し、監督との共同脚本によって映画化を果たした。全米が熱狂した禁断のベストセラーだけに、まさに待望の映画化といえる。

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映画「ペーパーボーイ 真夏の引力」の原作本、ピート・デクスター著「ペーパーボーイ」の初の日本語版が、集英社文庫から現在絶賛発売中。

「ニューヨーク・タイムズ ベストセラー・リスト」に選出され“禁断の傑作ミステリー”と称されたベストセラー。映画を見るのが先か原作を読むのが先かは悩みどころだが、両方を合せて楽しみたいところだ。

「ペーパーボーイ」谷垣暁美訳 集英社文庫(発売中 税込882円)



■見ているうちにどんどん引き込まれる“残酷な青春”──
 殺人事件の真相と人間関係が濃厚に絡む“極上のミステリー”!

ジャックを捕えて離さないシャーロットの肢体
ジャックを捕えて離さないシャーロットの肢体

69年、問題を起こして大学を追われた青年ジャック(ザック・エフロン)は、フロリダの父親の会社で新聞配達を手伝うだけの退屈な毎日を送っていた。ある日、大手新聞社の敏腕記者で兄のウォード(マシュー・マコノヒー)が、ある殺人事件の死刑囚にかけられたえん罪疑惑を取材するために帰省してくる。ジャックはウォードの調査を手伝うが、その過程で出会った死刑囚の婚約者で、挑発的な色香を放つシャーロット(ニコール・キッドマン)に心を奪われる。

シャーロットとジャックたちは、死刑囚ヒラリー(ジョン・キューザック)と面会を果たすが、そこに現れたのは狂気と欲望に満ちた謎の男だった。果たして、彼は本当に殺人を犯したのか。事件の真相をめぐり、複雑な人間関係が浮き彫りになっていくなかで、ジャックの人生は大きく変わり果てていく……。

ひと夏の美しくも残酷な青春、そして濃密な人間模様がスリリングに描かれる極上のミステリーに、見る者がグイグイと引き込まれていくことは必至。ジャックの母代わりのメイド・アニタ役のメイシー・グレイ、ウォードの同僚記者ヤードリー役のデビッド・オイェロウォ、ジャックの父役のスコット・グレンなど、実力派キャスト陣にも注目だ。


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