アシュラ(2012)のレビュー・感想・評価
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飢餓と空腹感のリアリティ
ジョージ秋山の過激作を見事に映像化した。3DCG作品で非常によく動く、セルルックも違和感のない仕上がりだ。凄惨な暴力描写にも臆すること挑んでいて、原作の持つ強烈さを映像にきっちりと焼き付けている。
本作では飢餓を扱っているのだが、飢えのリアリティはフィクションの実写作品よりもアニメの方が描けるのだろうと思う。『火垂るの墓』の妹がやせ細っていく様は胸が締め付けられるが、本作でも若狭がどんどんやせ衰えていくのは観ていて本当に苦しい。飢餓や空腹感のリアリティは、実写の劇映画よりもアニメの方が上手く描けるのだろう。
獰猛な野生児アシュラを野沢雅子が演じているのだが、これがすごく良い。猛々しくて、野生児ゆえに怒ることでしか感情を表現できないような、そんな芝居を見せてくれる。
アクションシーンも凄まじい迫力。これは本当に隠れた名作だと思う。
仏教に於ける六道の阿修羅道の阿修羅様がモデルだろうが、もう少し現実...
仏教に於ける六道の阿修羅道の阿修羅様がモデルだろうが、もう少し現実的なストーリー展開であってもらいたかった。差別や貧困や飢餓などが、社会とどう関わっていたかを説明していない。これでは、大和民族の創世記の頃のGODZILLA退治になってしまっている。それでいて、最後は火の鳥の『鳳凰編』をリスペクトしている。
僕は小学生の時にこの作品に出会って、トラウマになり読まずに目を背けた。しかし、その後『カムイ伝』『火の鳥 鳳凰編』と出会い。我が人生は健やかに育む事ができた。(と思う。)
人間だけが心を持つ。だから、罪が理解出来ると言うが、それでは『罰』がまるまる抜け落ちている。心があっても罪を重ねる事が出来る存在こそが、寧ろ人間だと思う。動物はどんなに美味そうな獲物が目の前を横切っても、腹が満たされていれば、殺すことはしない。しかし、人間は何一つ理由が無くとも罪を重ねる。と思うが。
そうでなければ、ラスコーリニコフの行動をどう解釈するのだろうか?
この作品の女性の取った行動だけを評価する。そこに留めて置くべきだった。阿修羅様はアシュラであってもらいたくない。そもそも、仏僧が『自分の身を食べさす』と言う思想は仏教にあっただろうか?人肉を食べるのは鬼であり、仏教に於ける悪魔だったと解釈する。いくら、地獄の阿修羅様であっても、それは畜生以下だとおっしゃるはずだ。
このストーリー展開で僕は泣けない。勿論、この程度で50年間もトラウマにしてきた自分を恥じる。
でも、阿修羅さまと出会えてから良いでしょう♥
人間とケダモノの違いは心・理性があるか否か
飢饉による人々の荒みや退廃した空気感のために映画全体が重苦しすぎることはなく、原作者ジョージ秋山特有の、強烈だがどことなく緩いキャラクターデザインがフルCGアニメーションによって活き活きと描かれているのが良い。
良い作品だが人を選ぶ。評価に困る
点数がとてもつけにくい。悩んだ。きついシーンが多くて何度もみられない。人を選ぶ感じで簡単に勧められる作品ではない。しかし内容はとても道徳的。 良い作品だと思うが気軽にみられる作品ではなく人を選び、評価が割れそう。 きついシーンが大丈夫で重い話でもみていられる人はぜひ。逆に耐性がない人はみられないと思う
おすすめされて見たけど、いまいち。 若狭の行動(アシュラを助け飯を...
おすすめされて見たけど、いまいち。
若狭の行動(アシュラを助け飯を与える)が納得できない。
食べるものに苦しんでいるんじゃなかったのか。
今ひとつ…
原作を知らないし、何の予備知識もないまま、どんな内容なのかな?と思って観始めて、最後まで一気に観られた作品でしたが、『入れたい事がいろいろあって収まりきってない』感があるように思えました。『彼は、成長してお坊さんになりました』っていう結末なのに、仏門に入る決心をするまでの話が抜けてしまっている点が今ひとつスッキリしないなぁ。と思いました。
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