トロピカル・マラディ

劇場公開日:

トロピカル・マラディ

解説

「真昼の不思議な物体」「ブリスフリー・ユアーズ」のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が手がけ、2004年・第57回カンヌ国際映画祭で審査員賞、第5回東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞。フランスの名門映画誌「カイエ・デュ・シネマ」が選出する04年のベストワンにも挙げられた一作。前半で愛し合う2人の青年の日常をみずみずしく淡々と描き出しながらも、後半は予想もつかない物語が展開されていく。2012年、ウィーラセタクン監督作を一挙上映する「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ」で初上映。16年に再度行われた特集上映「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2016」でも上映。

2004年製作/118分/タイ・フランス・イタリア・ドイツ合作
原題:Tropical Malady
配給:ムヴィオラ
劇場公開日:2012年1月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第57回 カンヌ国際映画祭(2004年)

受賞

コンペティション部門
審査員賞 アピチャッポン・ウィーラセタクン(監督)

出品

コンペティション部門
出品作品 アピチャッポン・ウィーラセタクン
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映画レビュー

5.0とんでもない傑作

2019年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の大傑作だ。
前半はタイの都市に生きる愛し合う青年の物語。猥雑な雰囲気のタイの都市部にエネルギッシュな生と性を感じさせる。後半は、とんでもない展開になっていく。後半は暗い森の中で、森林警備隊が虎に変身してしまった男を追いかける。何が起きているのか判然としない、だが、異様なすごみと深さがスクリーンから迫ってくる。前半の社会での営みはなんだったのであろうか、後半を観ているとよくわからなくなってくる。むき出しの世界が迫ってくるような感覚がこの映画にはある。森は人間社会のルール外の場所、そこに深く分け入る者は人間社会の外の理にふれることになる。木の上に猿がいて森林警備隊の男に語りかける。お前には虎の影がついてまわっているのだ」と。男は虎を追っているはず、しかし猿は虎はお前についてまわっているというようなことを言う。自分と虎の輪郭が定かではなくなっている。観ているこちらも自分が何者なのか、輪郭がぼやけてくる。しかし、それがなぜかものすごい心地よいのだ。
なんだか、とんでもないものを観てしまったという感覚に陥った。事実、これはとんでもない映画なのだと思う。

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杉本穂高

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