「本日は新作公開日」スター・ウォーズ ジェダイの帰還 特別篇 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)

1.0本日は新作公開日

2016年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

ディズニーの手に渡った制作会社による新作が公開される日ということで、エピソードⅦの一つ手前、つまりエピソードⅥ「ジェダイの復讐」を自宅所蔵のBlu-rayで久しぶりに鑑賞。
このシリーズは、作を重ねるにつれて特撮技術が進み、そのことは人間(型)以外の生き物の造形や動き、スクリーンに一度に映るう大小のメカの数量によって観客を驚かせる。
とりわけ前期エピソードⅣ~Ⅵから後期Ⅰ~ⅢへのCG技術の進化は隔世の感があり、後期作品の飛行物体の物量と質感は前期のそれとは比べ物にならない。
しかし、多くの観客はだからと言って後期の作品により満足をしたであろうか。
空間を飛び交う艦艇のスピード感を最も鮮烈に伝えるのは、第一作目でデス・スター上空で帝国軍戦闘機が共和国軍のXウィングを追うシークエンスではないだろうか。
いや、エピソードⅠでアナキン少年が参戦するポッド・レースのシークエンスのほうがスピード感あふれる、という向きもあろう。
しかし、デス・スター上空での追跡劇では、この宇宙要塞の果てしもない巨大さを観客に提示することに成功しているし、その巨大さを上手く利用して、猛スピードで過ぎ去る背景としている。
この演出は前期シリーズを通して良く使われる手で、部分的に映し出される艦船と、全体像を映し出す艦船が同時にスクリーンに現れることでその一方の巨大さを観客に把握させる。
 コンピューターによる画像処理がまだ発達していなかった時代の特撮には、まだセットやカメラワークといった映画の面白さが息づいていた。
 CG全盛の現代、映画は物理的な制約を一切受けないショットの連続となってきた。これが果たして映像を観ることの興奮体験に繋がるのだろうか。
 このシリーズはこうした映画の歴史的問いかけに答えるものになっていることは間違いない。

佐分 利信