ヘルタースケルターのレビュー・感想・評価 (7)

ヘルタースケルター

劇場公開日 2012年7月14日
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レファレンスの、誘惑

「さくらん」で、その独自の色彩感覚と人間描写に高い注目を集めた蜷川実花監督が、「クローズド・ノート」の沢尻エリカを主演に迎えて描く、一人の女性が辿る栄光と、挫折の物語。

カメラの業界を内側から覗いていると、毎日が驚きの連続である。コンビニで売っているような、ごくありふれた鮭おにぎり。その見慣れた一品に、白のレフ板と呼ばれる反射板を当て、ライトを当てる。

その瞬間に、ノリは柔らかい輝きを放ち、艶を持ち、どこかの一流店でみられるような「おしゃれ」おにぎりへと変貌を遂げる。うまそう・・つばがでる。でも、レフ板を外した瞬間、それは再び「いつもの」おにぎりへと戻っていく。

変化は決して奇跡ではない。ちょっとしたはずみで、輝きはモノに、人にまとわりつく。

この物語は、芸能界という一つの特殊な世界に身を置く一人の女性の顛末をテーマに描かれている。「全身整形という奇抜な環境の中で朽ちていく人間の悲しみ」この視点だけで本作と向き合うと

「はあ・・・芸能界って、大変なのね。まあ、沢尻はきれいだったから良かった良かった。帰りにハンバーガーでも買って帰ろっと」

で終わってしまう。だが、「整形」という究極の美容手段を「化粧」なり「ダイエット」という身近な美容に結び付ければまた、話は別である。

初めてつけた、赤い口紅。一枚のレフ板のお陰で突然輝いた自分。「私・・きれい」そう思った瞬間に、人はそのレフ板を手放せなくなる。変化した姿を「いつもの」私に戻したくない。口紅一つとっても、本作で主人公がたどる絶望、疑惑、転落への入口は大きく口を開けて私達を手招く。

いつもの派手派手しい色彩感覚を撒き散らす蜷川演出に注目が集まる本作だが、実のところ物語の軸を支える力強さは、現代の空虚感、空っぽな違和感を時代に寄り添う言葉で描き切る俊英、金子ありさの脚本がもつ力にある。奇抜な設定を活かしながら、美へ執着という観点でするりと観客への鋭い批判と忠告を挟み込み、娯楽へと昇華する。流石の職人技といえる才気を感じる一本だ。

男もにやつくエロ描写もふんだんに盛り込みながら、深夜やら早朝やら、ウェブやらでぶちまける「あなたも、変われる!」テロップに対して、「・・変わった後は?」と静かに自問自答する賢さが身に付きそう。レファレンス(反射)板の誘惑は、他人事ではない。

「変わったのは分かったわ・・・どこまで変わるつもり?」そんな意見を友人に言える貴方を作ってくれる作品では、なかろうか。興味深い作品である。

ダックス奮闘{ふんとう}
ダックス奮闘{ふんとう}さん / 2012年7月15日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  興奮 知的
  • 鑑賞方法:映画館
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  • 共感した! (共感した人 3 件)

疲れるわ。

違法クリニック告発パートが,
りりこの葛藤を邪魔している印象。

ドラマ性も弱くて物足りなさが残るが,
それら消化不良を補う沢尻エリカの存在感が見事。

傲慢と儚さを同居させた強烈な生命力を画面に焼き付けていた。

使い捨ての世界にしがみつき君臨し続ける彼女の姿は,
未来永劫に変わらないであろう
内面そっちのけで見た目の虚飾に邁進する社会の本質に迫っており,
堂々巡りの溜め息に溢れかえり,
どっぷりと疲れた。

AKIRA
AKIRAさん / 2012年7月14日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  怖い
  • 鑑賞方法:映画館
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  • 共感した! (共感した人 3 件)

久々の女優・沢尻エリカ

このスキャンダラスな内容の監督と主演に蜷川実花と沢尻エリカはぴったり。

蜷川実花が、全身整形のトップモデルの栄光と破滅を、「さくらん」同様極彩色豊かに鮮烈に描く。
それに応えるように、りりこは沢尻エリカしか考えられない!と納得させるほどの強烈パフォーマンス(怪演?)。りりこの叫びは沢尻エリカ本人と被り、真に迫るものがあった。

女の性と欲と貪欲に追い求める美をきらびやかに描きながら、弱肉強食の芸能界の光と闇を赤裸々にも描き、戦慄すら感じた。

前半のりりこの破天荒な姿に対して、後半はりりこの精神崩壊なのだが、急に迷走し、少し伝わりにくく感じたが、全体的に見れば思ってた以上に良かった。
脇を固めた実力派の面々も好助演。(この人たちの支え演技あってこそ、沢尻エリカも熱望出来たと思う)

まるで性格の悪いレディー・ガガのような決して好感の持てる役柄ではないが、久々に沢尻エリカは魅力的に見えた。
やっぱり女優してる時が一番イイ。

近大
近大さん / 2012年7月11日 / フィーチャーフォンから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  悲しい 怖い 興奮
  • 鑑賞方法:試写会
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  • 共感した! (共感した人 2 件)

ちょっと長いかな?

一足お先に試写会にて。期待通りの蜷川ワールド&沢尻さん見直しました。音楽は上野さんなんだ~と思っていたら「蛹化の女」!作品にも合っていますが個人的にツボでした。関心の有る方は、ぜひ劇場へ。そういう作品です。ただ、あと20分くらい短くても良かったのでは?

dekatter
dekatterさん / 2012年7月9日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  興奮
  • 鑑賞方法:試写会
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