劇場公開日 2012年6月30日

「映画ならではの生々しさ」臨場 劇場版 ソロモンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画ならではの生々しさ

2012年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

人気刑事ドラマの映画版。ユニークなキャラクターたちと重量感ある雰囲気があって私もこのTVシリーズは結構好きでしたのでこの劇場版を鑑賞。

ストーリーは映画向けに規模を少々大きくしより社会派ドラマになっています。ところどころTVドラマの雰囲気も残しているといった感じです。各登場人物の個性や性格を表しているシーンもあるのでドラマ未見の方もなんとなくでついていけると思います。
ただこの「臨場」というドラマは謎解き要素が魅力的ではなく、亡くなった人の思いや無念を遺族や友人に伝えるのが目的でありそれの意外性を秘めた真実が魅力。なのでミステリー要素を期待してみると少々はめをはずすかもしれません。というのも犯人が後半ぐらいでなんとなくわかってきてしまうため、誰が犯人なんだろうなどという楽しみ方が出来ないためです。

しかし劇場版ということもあってか表現がところどころ生々しかったのは驚きました。特に没頭の殺戮シーンはあまりのえげつなさに鳥肌が立ちました。あれは邦画の中でもかなりショッキングなシーンに入るのではないでしょうか。
このドラマシリーズのもう一つの魅力である検視のシーンもドラマにはない生々しさで一段とリアルさが出ております。でもこういったドラマでは味わえない生々しさがあると殺された人の遺族の無念さがドラマ版よりさらに感じられた気がします。

ただのドラマの延長に縮まらずに映画ならではのテイストを入れていたので個人的には結構満足のいく出来となっていると思います。

ソロモン