「自分のために大勢の他人を犠牲にして大暴落を招くべきか」マージン・コール Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5自分のために大勢の他人を犠牲にして大暴落を招くべきか

2014年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

知的

難しい

総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 多額の怪しい金融取引をしておいて昨日まで誰も会社の抱える巨額の損失に気がつかなくて、その8兆ドルという巨額の損失を一日で大量に処分出来てしまえるという展開は現実的とは思えない。だけど普通の会社員の一生分を一年で稼ぐような桁違いの報酬を手にしてそんな生活に染まっていきながらも、誰もが生き残るのに必死で、そのために何でもやっていくという虚しい世界観が描かれていて面白い。冷たい殺伐とした雰囲気の中で、倫理を完全に無視して利益を最優先して積極的に動いたり、あるいは苦悩しながら結局は倫理観に目をつむったり。ウォール街のある投資銀行の緊迫の一日を通して、利益至上主義の葛藤や緊迫感や問題点が散りばめられていて楽しめた。ただし話が会社組織の内側だけで終わっていて経済に与える影響を描いていないので、大暴落で混乱する社会の部分を挿入してくれたらもっと良かった。

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Cape God