劇場公開日 2012年7月14日

「よかった!」苦役列車 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0よかった!

2015年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

幸せ

森山未來という役者は本当に只者じゃない超一流だなぁと改めて思った。
完膚なきまでこじれきった役柄、ドン引きな台詞と表情、なんの違和感もなくやってのけるってすごい。

前田敦子もしっかり女優だね〜。
いいのか悪いのかって感じだけど、全くアイドルっぽくない役が妙にしっくりきた。

最後、貫多が柄にもなく「ありがとう」なんて言うからもしや死んでしまって終わりか?と思ったら、突然の落とし穴な展開で目が点。でも笑った〜

足怪我したオッサンが飲み屋で貫多に「いいことなんかなんにもねえぞ」みたいなこと言ってるシーン、ここ毎日考えていたことと絶妙にマッチして嘆息。

前に、小説の月刊誌で読んだ西村賢太のインタビューかエッセイで、いかに世田谷と下北沢サブカルが嫌いか熱弁してたのを思い出して、本棚を探してみたけどなかった。
原作を書くに至った経緯と、そこにこめたメッセージがどんなものか知りたいなー。

私の勝手な感想だけど、
「全てを失って落ちるところまで落ちないとやり直すことはできない」
っていうんじゃなくて、
「落ちれば落ちるほど辛いし多くを失うけど、その分、反動で高いところまでいけるからとりあえず死ぬな」
みたいな、究極にくすぶってて痛々しいんだけど最終的にはなんかポジティブな気持ちになれる映画だった。

Chisa